2025年6月24日火曜日

 歴史遺産の再現  匂坂信吾 【沼朝 令和7年6月24日(火)「言いたいほうだい」】

 

 歴史遺産の再現            匂坂信吾

今月二十九日(日)午後二時から、沼津市立図書館視聴覚ホールで沼津郷土史研究談話会(沼津史談会)総会記念「歴史遺産シンポジウム」を開催します。

 最初の講演は、国立歴史民俗博物館の樋口雄彦教授による(仮題)「沼津兵学校と静岡学問所」であり、德川家が設けた二つの教育機関の比較から、当時の我が国における最先端学術都市の地域を形成した歴史を学びます。

樋口さんは皆様ご承知の通り、沼津市明治史料館の初代学芸員として十七年間在籍して、江原素六と沼津兵学校を基本テーマとして取組んできました。

次の講演は、名古屋市立大学の鵜飼宏成教授による(仮題)「沼津城址を生かしたまちづくりのために」で、経済学の立場からまちづくりの方向を探ります。

鵜飼さんは法政大学元総長の故・清成忠男先生の門下で、学生時代には清成ゼミの合宿で度々沼津を訪れ、現在は起業指導や地域活性化に取組んでいます。

講演の後はシンポジウムのテーマ「沼津まちなかの歴史遺産を創ろう」に関連して、本会から画像と解説、提案による問題提起を行います。

画像は改定中の沼津まちなか歴史MAP、沼津城絵図などに加え、参考事例として鵜飼さんと共に訪問した、愛知県西尾市の歴史公園内に民間主導で再建中の西尾城・施設配置図や二重櫓の写真です。

提案の一点目は、沼津兵学校の校舎として使用した沼津城二の丸御殿があった大手町中心部に、民間の力で早期に沼津兵学校の案内板を設置することです。

二点目は、明治初期まで沼津城本丸に存在した二重櫓を、実際の立地場所が空地となっている大手町の中央公園内に再建して、歴史学習や観光案内などに活用することが、歴史を生かした沼津のまちづくりのために重要と考えます。

このため市民や関係団体・企業などの賛同を求め、市行政の全面的な支援をいただく中で可能な限り十年以内に再現できるよう、〝沼津に城があったころ再現実行委員会〟の成果を踏まえ、新たに活動を始める所存です。

そして最後は、参加者の間で提案についての意見交換を行う予定です。

会場の定員は二百人ですが、参加者のうち希望者には会議終了後、昨年発行した会誌『沼津史談』75号(沼津城址まちづくり特集。沼津藩水野家への新たな評価や詳細な家系図を掲載)を進呈します。

参加申込み・問合せは次まで。①沼津史談会副会長、よろず相談所主人・長谷川徹☏090—1273—3774、②同、ぬまづ観光ボランティアガイド会長・上柳晴美☏090—1418—3723

               (小諏訪、沼津史談会会長)



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