「前伊東市長が賄賂要求」
ホテル跡地汚職初公判で検察
佃被告、収賄認める 東京地裁
伊東市のホテル跡地売買を巡る贈収賄事件で、便宜を図った見返りに業者から1300万円を受け取ったとして、収賄罪に問われた前市長の佃弘巳被告(71)=同市=は25日、東京地裁(永渕健一裁判長)の初公判で「間違いはありません」と起訴内容を全面的に認めた。
贈賄罪に問われた建設・不動産会社「東和開発」(同市)元社長の森圭司郎被告(48)=同市=も「間違いありません」と述べ、収賄ほう助罪で起訴された会社員稲葉寛被告(50)=川崎市=も大筋で罪を認めた。
検察側は冒頭陳述で、佃被告が2015年7月に東和開発の事務所に自ら赴き、森被告に直接賄賂を要求したことを明らかにした。佃被告は受け取った現金を自宅で保管し、車の購入や飲食費に充てたと指摘。また、一部の賄賂について借金の返済として受け取ったように装うよう口裏合わせをしていたことも明らかにした。
起訴状によると、佃被告は現職甲の15年8月下旬~9月上旬、東和開発が所有する跡地を市が購入した取引に関し、便宜を図った謝礼として森被告から直接300万円、稲葉被告を介して1千万円を受け取ったとされる。
金の流れ、前市長が主導
伊東市を揺るがしたホテル跡地を巡る贈収賄事件で25日に東京地裁で開かれた初公判。検察は冒頭陳述で、森圭司郎被告(48)は、佃弘巳被告(71)と事前に取り決めた跡地の売却額よりも高額な市の補正予算案が組まれたことで謝礼を要求される」と覚悟を決めたと指摘。一連の金の流れは当時市長だった佃被告自身の主導で行われたことを明らかにした。
検察によると、佃被告と森被告は跡地の売却額について2014年暮れに一度は1億9千万円で合意。一方、佃被告は購入費として2億1千万円の補正予算を組むよう市幹部に指示し、市は最終的に2億500万円で取得した。差額について佃被告は森被告に対し、土地購入に便宜を図った謝礼として渡すよう求めた。森被告から受け取った300万円についても、当初は同額.の商品券での受領を希望するなど一連の行為は具体的かつ計画的だったとされる。
冒頭陳述では、佃被告が仲介役の稲葉寛被告(50)に怒りをあらわにする場面も明らかになった。佃被告は1千万円を持参するよう指示したのに、稲葉被告は15年8月下旬、500万円を持参。佃被告は「なんで500万円なんだ」などと迫った。稲葉被告から引き渡し額の減額を求められても取り合わなかったという。
【静新平成30年9月26日(水)朝刊】
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