2022年9月30日金曜日
市庄司美術館来年1月再開へ 沼津市
市庄司美術館来年1月再開へ 沼津市
沼津市は29日、指定管理者の不在で休館中の庄司美術館(モンミュゼ沼津)について、来年1月にも再開する方針を市議会文教産業委員会で明らかにした。
市は新たな指定管理者に、県東部の芸術家らが設立した同市のNPO法人「レザミ・デ・ザール」(松永純理事長)を指定する議案を市議会9月定例会に提出していて、可決され次第、本格的な再開準備に取りかかる。再開までの間に企画展の準備や、館内の壁紙の貼り替え作業を進める。
同美術館は1999年に死去した庄司辰雄元市長の遺族から私設美術館の寄付を受け、2000年から市の美術館として運営している。今年4月から休館中。
【静新令和4年9月30日(金)朝刊】
2022年9月29日木曜日
紙の本の読書文化伝えたい 浅間町・浅間神社会場にブック・マーケット
紙の本の読書文化伝えたい
浅間町・浅間神社会場にブック・マーケット
幸町で道具・古物商「土筆屋」を営む赤池康浩さんは、職人や手芸作家らによる露天市「手仕事楽市」を毎月第4日曜日、浅間町の浅間神社境内で開いているが、初の試みとして23日、「ブック・マーケット」を浅間会館で開いた。
「神社で本と出合う」をコンセプトに本を扱う店舗や団体に声を掛け、マルサン書店外商部が出張販売。「ぬまづ昔ばなし第一集・第二集」を再編出版した「絵物語ぬまづ昔ばなし」、沼津史談会の会誌バックナンバー、古本などを扱う8ブースが館内に並んだ。
また、来場者が一持参した本と会場の本棚に置かれた古本を交換して持ち帰る自由交換(フリー)の本棚コーナー、本以外に雑貨も扱い、杉原千畝・幸子夫妻の顕彰会によるチャリティーTシャツの販売も行われたが、境内に開設を予定していた喫茶コーナーは悪天候のため中止した。 赤池さんは「読書というと家にこもりがちなイメージもあるが、神社で本を買い、古本を交換し、外で喫茶を楽しみながら読書する、という楽しみ方を提案したい。電子書籍の利用者も増える中、紙の本の読書文化を守るためにも半年に1回程度開きたい」としている。
【沼朝令和4年9月29日(木)号】
中央公園の活用法探る 来月から沼津市 再整備ヘワークショップ
中央公園の活用法探る
沼津市は、2025年度の着工を目指す中央公園(同市大手町)の再整備に向け、新たな公園の活用法などを考えるワークショップを10月から始める。1日午後1時からは、全国でまちづくり事業に携わる建築家の西村浩さんを講師に同公園隣接のビルで、事前勉強会を開く。
来月から沼津市 再整備ヘワークショップ
1970年に開設した中央公園は、市中心部にあり、面積約6100平万㍍。市民の憩いの場として活用される一方、使い勝手の悪さも指摘されている。市は民間資金を活用する「パークPFI(公募設置管理制度)」の導入も視野に、基本計画策定に向けた作業を進めている。
ワークショップは16日から来年1月まで、専門家らを招き、計4回開催する。11月4日には特別編として、同公園でたき火をしながら参加者でトークする回も設ける。
参加者には、近隣の住民や商店主、事業展開の可能性のある事業者、公園を利用するグループ、定期的に訪れる市民を想定する。市緑地公園課の勝又昌彦課長補佐は「さまざまな立場、視点で活用法を検討してもらいたい」と話す。
事前勉強会、ワークショップの参加申し込みは、名前やアドレス、参加可能日、同公園のためにやってみたいことを記して、メール〈kauen.numazu@gmail.com〉へ。事前勉強会は当日参加可。ワークショップは人数を制限することもある。(東部総局・尾藤旭)
【静新令和4年9月29日(木)朝刊】
2022年9月28日水曜日
2022年9月27日火曜日
浮島地区紹介の企画展 10月1日から明治史料館で
浮島地区紹介の企画展 10月1日から明治史料館で
明治史料館(西熊堂)は、企画展「地域の歴史シリーズ3うきしま」を10月1日から11月27日まで開催する。
同シリーズは、旧村を単位として市内各地域の歴史を掘り起こしてまとめた地域密着型の展示会で、その地域の歴史と、そこにまつわる資料や人々の暮らしなども交えて紹介。2015年度には合併10周年を記念して「戸田」、昨年は「金岡」を取り上げた。
今回は、阿野全成でも一躍有名になった、「浮島」の歴史を紹介する。浮島地区には興国寺城跡、井出丸山遺跡など歴史的な魅力が多い。
なお、10月8日と11月12日、いずれも午前11時から同展示に関してギャラリートークが行われる。参加無料(観覧料は必要)、定員は8人で先着順。申し込みは各回4日前の午前9時から、同史料館に電話、または直接。
開館時間は午前9時から午後4時半(受け付けは4時まで)。10月の休館日は3、11,17,4、28、31日。
観覧料は大人200円、小人100円(市内の小中学生は無料)。
問い合わせは同史料館(電話923~3335)。
【沼朝令和4年9月27日(火)号】
2022年9月26日月曜日
2022年9月25日日曜日
2022年9月24日土曜日
2022年9月23日金曜日
沼津工高生全国へ決意 市役所訪問、活躍報告も
沼津工高生全国へ決意
市役所訪問、活躍報告も
今年の高校総体や全国大会に出場、また国体に出場予定の沼津工高の生徒が21日、沼津市役所を訪れ、頼重秀一市長に結果や意気込みを語った。
訪れたのは、ボート部から、10月に栃不県で開かれる国体少年男子ボートかじ付きクオドルプルに出場する佐々木吾滝、小坂響己の両選手(いずれも3年)、ダブルスカルの川本晴、高村峻の両選手(同)。陸上部から、高校総体男子5千㍍競歩に出場した長沢佑選手(同)。ロボット制御部から、ロボット技術を競う「WROJaPan決勝大会in浜松」に出場した2チーム5人。
高校総体にも出場し、シングルスカル6位だつた佐々木選手は「悔しかった。国体では優勝したい」。長沢選手は「全国大会出場の目標を達成し、大会を楽しめた」と振り返った。ロボット制御部前部長の佐藤墾さん(3年)は「世界大会には進めなかったが、地区大会では難しい満点を出せ、全力を出し切れた」と話した。
(東部総局・尾藤旭)
【静新令和4年9月23日(金)朝刊】
わたやす本店新店舗が完成 きょう1階がオープン、10月2日まで記念セール
わたやす本店新店舗が完成
きょう1階がオープン、10月2日まで記念セール
わたやす沼津駅前本店(大手町)の新店舗が完成。きょう23日、1階の店舗がオープンする。これを記念して10月2日まで、西川の羽毛掛ふとんなど値打ち品を多数揃えてのセールが開催される。
同店は創業168年の歴史を誇る、沼津では老舗中の老舗。7代目に当たる金井隆直社長の決断で、これまで培ってきた専門店ならではの強みと、対面販売の良さを融合させた店づくりを展開していく。
昭和46年、駅前への店舗進出と共に建てられた旧店舗の老朽化を受け、駅南の一等地を今後どうすべきか、悩んだ末の新ビル建設だった。
戦前まではどの家も綿を購入して自宅でふとんを作る時代。同店も製綿から始まり、卸し、小売りと時代とともに形を変えていった。伊豆半島一円が商圏で旅館など業務用のふとんの受注が主力だった時代を経て小売りに集中していった。
金井社長は「最近沼津も少しずつ動きが出てきた気もするが、駅南の中心市街地まちづくりは、民間の努力だけでは、どうにもならない」と行政の今後の施策に希望を寄せる。
新店舗の特長は、①ふとんや枕などの除菌消臭設備の配置。②ピローアドバイザーが一人一人に合ったオーダー枕を提案、メンテナンスにも力を入れる。③女性用下着はワコール專門店として、フィッティングも可能。人気ブランド「サルート」も取り扱う。④フェイラーなどの高級タオルを中心にタオルソムリエが相談にのり、ギフトラッピングにも対応する。⑤シモンズベッドも取り扱い、デザイン性の高いパラマウントベッドなど、実際に寝て実感してもらうなど通販では味わえない体験型に力を入れる。
「眠り」に関する相談には西川スリープマスターの資格を取得したスタッフが当たるなど、店舗販売の良さを前面に打ち出していく。
詳細は同店(電話962~1200)。
【沼朝令和4年9月23日(金)号】
2022年9月22日木曜日
2022年9月21日水曜日
2022年9月20日火曜日
2022年9月19日月曜日
2022年9月18日日曜日
江原素六とその周辺64 江原素六と広岡浅子
江原素六とその周辺64
江原素六と広岡浅子
広岡浅子(一八四九~一九一九)は、NHKテレビの朝ドラ「あさが来た」(二〇一五年放送)の主人公のモデルとなった女性実業家である。三井財閥の一族に生まれ、大阪の豪商広岡家(加島屋)に嫁ぎ、明治期には炭鉱・銀行・生命保険といった各種事業を手がけた。キリスト教に入信したのは明治四四年(一九一一)と遅かったが、以後、日本基督教女子青年会(YWCA)中央委員をつとめ、廃娼運動に取り組むなど、社会事業にも貢献した。
ドラマでも描かれた通り、広岡は初の本格的な女子高等教育機関である日本女子大学校(現日本女子大学)の設立にも多大な協力をした。その準備段階、明治三〇年(一八九七)三月二五日に帝国ホテルで開かれた女子大学開設を目指す第一回創立披露会には、大隈重信らとともに江原素六・島田三郎らが賛成演説を行った(『東京朝日新聞』明治三〇年三月二六日付、『日本女子大学校四十年史』)。そして江原は、三四年(一九〇一)四月二〇日の開校式にも来賓として出席している(同三四年四月二二日付)。その頃から江原と広岡は知り合いだったことになる。
廃娼運動を推進する団体として明治四四年(一九一一)七月に廓清会が結成された際、江原は発起人総代をつとめた(『日本廃娼運動史』)。発起人兼評議員全四四名のうち一三名を占めた女性の中には広岡がいた(『廓清』第一巻第二号)。四四名中には、島田三郎(会長)・服部綾雄ら沼津兵学校・沼津藩ゆかりの人物も名を連ねている。
掲載した写真は、大正三年(一九一四)六月、福岡県の門司(現北九州市)で撮影された集合写真であり、前列中央に江原と広岡が並んで写っている。全国協同伝道の際に、クリスチャンだった鉄道院九州管理局長の長尾半平の官舎にて撮影されたもの。
全国協同伝道とは、一九一〇年にイギリス・エジンバラで開催された世界宣教大会の影響を受け、大正三年(一九一四)から六年(一九一七)まで、日本のプロテスタント諸派が共同して実施したキリスト教伝道のための一大キャンペーンのこと。全国大小の都市で祈祷会・講演会など各種のイベントが開催され、大正デモクラシーの世相とも相まって、教会数や信者数を一気に増加させるきっかけとなった。
門司などの関門地方では、大正三年六月五日から一一日まで伝道が実施され、一〇〇件の集会が開かれ、聴衆は三二〇〇名、志道者は七五〇名にのぼったという。広岡も講演したし、江原は若松(現北九州市)の商業会議所で講演を行っている(『三年継続全国協同伝道』)。全国協同伝道において江原は、「各方面より最も多く要求せられたる弁士の一人」だったという(『基督者としての江原素六先生』)。(樋口雄彦)
(「明治史料館通信:第150号」令和4年7月25日発行)