2019年5月29日水曜日

徳川氏が出馬意向 参院選静岡選挙区 立民公認見通し


徳川氏が出馬意向
参院選静岡選挙区 立民公認見通し
 
政治経済評論家の徳川家広氏(54)26日までに、今夏の参院選静岡選挙区(改選数2)に立憲民主党から出馬する意向を同党幹部に伝えた。同党関係者への取材で分かった。同党は近く、徳川氏の公認を決定する見通し。
 徳川氏は徳川宗家19代目で東京都出身。徳川家は江戸幕府初代将軍の家康が駿府城(静岡市)を居城とするなど、本県とゆかりがある。徳川氏は県内では浜松市シティプロモーション顧問などを務めている。関係者によると、同氏は「徳川ゆかりの地である静岡で挑戦したい」と話したという。
 参院選の改選2人区を巡っては、京都、広島両選挙区で立民と国民民主党が候補者を事実上一本化したが、国民現職の榛葉賀津也氏(52)が既に出馬を表明している静岡選挙区については、枝野幸男代表ら立民幹部が独自候補擁立の方針を繰り返し強調していた。徳川氏の擁立で静岡選挙区は、旧民進党系の両党が競合する形になる。
 静岡選挙区ではほかに自民党現職の牧野京夫氏(60)、共産党新人の鈴木千佳氏(48)が立候補を予定している。
【静新令和元年527日(月)朝刊】



徳川氏立民が公認
枝野代表きょう発表 参院選
 立憲墨出党は27日、(改選数2)に政治経済評論家の徳川家広氏(54)を公認候補として擁立することについて、28日に持ち回りの常任幹事会で決定する方針を固めた。枝野幸男代表が静岡市内で記者会見して正式発表する方向で最終調整している。
 同選挙区では、現在3期の国民民主党の現職榛葉賀津也参議院幹事長(52)が出馬を予定し、旧民進党系候補が競合することになる。自民党現職で2期の牧野京夫氏(60)、共産党新人の鈴木千佳氏(48)も立候補を予定している。
 立民、国民は参院選で改選1人区に加え、2人区でも候補者の調整に着手。国民は京都選挙区で新入候補の擁立を取りやめ、立民の新人候補の支援に回った。一方、静岡選挙区では、国民は立民に候補を擁立しないよう要求していた。
 徳川氏は徳川宗家18代当主恒孝氏の長男で東京都出身。
【静新令和元年528日(火)朝刊】

参院選 立民・徳川氏が出馬表明
静岡選挙区、構図混沌
 立憲民主党が夏の参院選静岡選挙区(改選数2)に擁立を決めた政治経済評論家徳川家広氏(54)28日、静岡市内で記者会見し、出馬を表明した。2000年以降、白民党と民主党(民進党)が議席を分け合ってきた静岡選挙区は、立民からの出馬で旧民進党系候補が競合。自民内の2人目擁立論が勢いを増す可能性があり、選挙戦の構図は混沌(こんとん)としてきた。
 同選挙区には自民現職の牧野京夫氏(60)と国民現職の榛葉賀津也氏(52)、共産党新人の鈴木千佳氏(48)も出馬を予定。徳川氏の出馬会見に同席した立民の枝野幸男代表は「埼玉や神奈川など複数区では野党各党が候補者を擁立している。野党共闘に影響はない」とし、仮に衆参同日選になっても調整は可能との認識を示した。
 徳川氏は中部電力浜岡原発の再稼働阻止を訴え「南海トラフ巨大地震が起きれば浜岡原発が無事な可能性は低い。完全廃炉にすべきだ」と述べた。経済格差是正や憲法改正反対も主張。同選挙区を選んだ理由について「先祖代々縁が深い」と説明した。
【静新令和元年529日(水)一面記事】

立民擁立の波紋
参院選しずおか2019

立憲民主「打倒・榛葉」執念燃やす
 「複数区では切磋琢磨(せっさたくま)しないと野党全体のパイが広がらない」。立憲民主党の新人徳川家広氏(54)が夏の参院選静岡選挙区(改選数2)への出馬を表明した28日の記者会見。同席した立民の枝野幸男代表は独自候補擁立の意義を強調した。
 「できれば、野党で2議席取りたい」とも語った枝野氏の言葉と裏腹に、立民の矛先は与党・自民党でなく、国民民主党現職の榛葉賀津也氏(52)に向く。候補者探しは「榛葉氏との対抗構図をどうつくるか」(立民幹部)を主眼に進んだ。
 立民と国民は働き方改革関連法案や統合型リゾート施設(IR)整備法案の審議などを巡り、参院でたびたび国会戦術が対立した。立民にとって国民参院幹事長の榛葉氏はいわば"目の上のこぶ"。立民は参院選2人区の京都、広島で候補者を事実上、国民と一本化したが、静岡は党執行部が"打倒・榛葉"に執念を燃やし、独自候補擁立にこだわった。
 当初、立民県連は女性候補を模索したが、難航。1月ごろから擁立の主導権は党本部に移った。枝野氏によると、同時期には徳川氏との接触が始まった。最後は「静岡は徳川家へのシンパシーが強い」(党幹部)と踏んで徳川氏に懸けた。
 立民関係者によると、5月上旬に党役員が徳川氏の出馬の意向を確認した。しかし、発表は徳川氏の講演活動や徳川宗家の関連行事が一区切りするのを待たなければならなかった。出馬を妨げる説得工作を警戒し、県連にすら情報を伏せて水面下で準備を進めた。
 今月22日に静岡市内で開かれた県連常任幹事会でも、党副代表を務める佐々木隆博県連代表は、経過説明を求める県連幹部に詳細を明かさなかった。役員の1人は「状
況を早く教えてほしかったが、仕方がない」と話す。
 ただ、参院選まで残された時間は少ない。県連組織も固まりきっておらず、選挙態勢が整うか不透明だ。連合静岡は榛葉氏推薦を決めている。党幹部は「(連合の)組織的な支援を得るのは難しいが、やれることは全部やる」と力を込める。
 徳川氏の出馬表明で、長年、自民と旧民主・民進が議席を分け合って「無風区」とも言われた参院選静岡選挙区は一転、風雲急を告げる情勢になった。野党同士の激しい攻防が予想される上、自民に2人擁立を目指す動きが頭をもたげる。立民による候補者擁立の波紋を追う。

【静新令和元年529日(水)「参院選しずおか2019㊤」囲記事】

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