2020年9月9日水曜日

沼津が元祖、国勢調査


沼津が元祖、国勢調査
 国内全世帯を対象に国勢調査が今秋、実施される。1920年の第1回から100年。総務省などは今回、新型コロナウイルス感染防止のためインターネットや郵送での回答を呼び掛けている。
 国勢調査は、実は沼津市と縁が深い。1869年に作成された日本初の近代統計「沼津政表・原政表」が元祖とされる。手掛けたのは沼津兵学校員外教授の杉亨二。その後も苦労や挫折を重ねながら、正確な統計こそが国の発展の基礎と説き続けたという。国勢調査準備委員も務め、悲願がかなう3年前に病没した。
 記録によると、第1回はスペイン風邪が流行する中で行われた。コロナ禍の現在と似た状況だったようだ。繰り返される歴史を、杉は草葉の陰でどう眺めているだろう。
(東部総局・薮崎拓也)
【静新令和2年9月8日(火)朝刊「清流」】

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