築地市場きょう閉場
移転で83年の歴史に幕
東京都中央区の築地市場が6日正午、取引を終了し、83年の歴史に幕を閉じる。同日早朝から最後の竸りが行われた後、業者は引っ越しに向けて作業に入る。移転先の江東区の豊洲市場は11日に開場する。豊洲の土壌汚染対策などのため、当初予定より約2年遅れの移転となる。
最終営業日を前にした5日、築地は買い物客でにぎわい、名残惜しそうに市場を記念撮影する人の姿も目立った。
築地市場は1935年、関東大震災で焼失した日本橋の魚市場や京橋の青物市場が移転して開場した。活気ある競りの光景や運搬車「ターレ」が走り回る様子が見学できることから、近年は観光客にも人気の場所になっていたが、老朽化や敷地が手狭なことなどが課題だった。
築地市場で働く約900の業者は6日の営業終了後、豊洲への引っ越し作業を本格化する。都はもともとの休業日の7、8日に加え、9、10両日を臨時休業日に設定。買い出し人は都内の別の市場などを利用するが、仕入れができず休む飲食店もある。
都心部の築地と異なり、豊洲は臨海部にあることから行きづらくなるという声や、近くに新交通システム「ゆりかもめ」の駅しかなく、道路が混雑するとの懸念も出ている。一部の業者は「豊洲の土壌汚染の安全が確認されていない」として移転に反対している。
豊洲市場がオープンすると築地は解体され、敷地は20年東京五輪・パラリンピックの車両基地になるほか、都心と臨海部を結び五輪の輸送路として期待される環状2昇線も通る。
豊洲市場は当初、16年11月にオープン予定だったが、地下水の安全性への懸念などから小池百合子知事が延期を表明。その後、建物下に土壌汚染対策の盛り土がないことが発覚し、今年7月まで対策工事を続けていた。
【静新平成30年10月6日(土)朝刊】
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