橋の根本から見直しか
一部が崩落の黄瀬川大橋
大雨により黄瀬川が増水し一部が崩落して通行できなくなっている黄瀬川大橋を7日、自民党災害対策特別委員会メンバーが視察。説明に当たった県沼津土木事務所の池ケ谷規文所長が、考えられる原因や今後の対応などについて話した。
同委員会では今村雅広委員長(衆議院議員・元復興大臣)らが熱海市での現地視察に続いて沼津を訪れた。
黄瀬川大橋は1953年(昭和28年)に完成し、2013年と14年に耐震補強工事を実施。県道380号富士清水線(旧国道一号)上にあるため、沼津と清水町、三島市方面を行き来する車両が走行し交通量が多い。
川底に立つ4基の橋脚で橋桁を支える構造で、3日の大雨による増水の影響で同日午前10時ごろ、沼津側の橋脚1基が川底の洗掘によると見られる桁下沈下で傾き、沈み込んだ分だけ、橋脚を支点としていた東西2基の橋桁が下がり、継ぎ目部分でV字型に折れた状態になった。
沈下した橋脚の数十桝先の下流には、橋脚を囲うように敷き詰め川底を保護していたコンクリートブロックが散乱しており、当時の川の流れの激しさを物語っている。
この視察には頼重秀一市長や県議や市議らが同行。今村委員長らに対し池ケ谷所長は、川を管理する国土交通省沼津河川国道事務所と協議し、現在調査中であると前置きしながら、崩落の原因について、橋の上流で川が大きくカーブしていることから、橋脚周辺の流れが遠心力で加速してコンクリートブロックを押し流し、川底が洗掘されて橋脚が傾いた可能性がある、との見解を示した。
さらに「昭和28年に造られた橋で、ボーリング調査のデータもない。壊れた橋桁を撤去し、川底を保護するために橋脚付近の地盤の調査も必要」だと、橋の根本から見直す考えを示したのに対し、同委員会に黄瀬川大橋の視察を働きかけた勝俣孝明衆議院議員は「毎日、多くの車両の往来がある主要幹線道路で、通行止めが長引くと経済が死んでしまう。仮設の橋でも良いので、早急に通行できるようにしてほしい」と求めた。
今村委員長は「川の構造からして橋脚周辺で相当量の水の勢いがあったことが分かった。交通量の多い主要幹線ということで一日も早く復旧するよう、工事のやり方なども含めて国に提言していきたい」と話した。
【沼朝2021年(令和3年)7月9日(金曜日)】
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