2023年12月12日火曜日

江戸の金本位制 匂坂信吾   【沼朝令和5年12月12日(火)言いたいほうだい】

 



江戸の金本位制             匂坂信吾

 

  去る十一月十七日から三日間、大手町「中央公園」で、旧沼津城大手櫓門のパネル展示が行われ、約五千人が来場されました。

最終十九日の展示終了後、沼津郷土史研究談話会(略称・沼津史談会)が開催した「歴史と文化のまちづくり塾」において、田辺鶴遊師匠による講談「江原素六伝」の創作編として、中央公園の名称を見直すための問題提起が行われました。

  その中では幕末維新の激動期を生き抜いた江原素六が、德川家の静岡転封と共に移住して暮らした沼津を故郷として地域に多大な恩恵をもたらし、東京で逝去した江原が沼津で葬られたことに触れました。

そして最後に、若き日の江原が德川家静岡藩の責任者として、旧沼津城の施設を活用して「沼津兵学校」をつくり苦労を重ねた中で、愛鷹山麓の墓地から沼津城本丸跡に当たる今日の中央公園を眺めて、名称をどのように感じるだろうかという趣旨の問いかけを約七十人の参加者に向けて行ったのです。

  終了後に回収したアンケート調査の結果、参加者の八割を超える五十七人から回答がありました。名称変更が必要と考える人は五十二人に上り、そのうち四十七人が選んだ名称案は「沼津城址公園」でした。

  さて十二月十七日(日)十三時三十分から、市立図書館四階第一・二講座室において、まちづくり塾を開催します。講師は八月に続き、最後の沼津藩主・水野忠敬の曾孫に当たる経済学者の水野忠尚氏です。

同氏は著書『江戸の金本位制と水野家の幕閣たち』をもとに〝沼津水野家の最大の功績は、幕閣の中枢にあった初代沼津藩主・水野忠友、二代・忠成が、当時の大英帝国に並んで江戸の金本位制を作り上げたことにある〟という学説を分かり易く、詳細な資料を用いて訴えます。

2025年のNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺」で、俳優・渡辺謙が演じる田沼意次の再評価が予想され、田沼と密接だった水野忠友、忠成が果たした役割も改めて見直される可能性があると思います。

  講座終了後には水野氏の希望で、参加者の皆様と共に旧沼津城三の丸周辺を歩く予定です。講座の受講料は無料とし、皆様の熱心なご参加をお待ちします。

(沼津史談会会長、小諏訪)【沼朝令和5年12月12日(火)言いたいほうだい】



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