2025年10月3日金曜日

アーケード名店街施設新築が着工  28年度中の完成を目指す 【沼朝令和7年10月3日(金)号】

 


アーケード名店街施設新築が着工

 28年度中の完成を目指す

 町方町・通横町第一地区市街地再開発組合(水口隆太理事長)は、アーケード名店街の1街区を新築する再開発事業に伴う共同建築物(沼津本通防火建築帯)の解体工事が終了したことを受け、1日、施設建築物新築工事着手に向けた起工式を建設予定地で開き、安全を祈願した。

 同名店街は都市不燃化運動の先駆けとして、防火建築帯の共同建築様式により建設された商店街。店舗と住宅が混在し、2階から上が歩道にせり出すポルティコ(公共用歩廊)空間が連続する約250㍍の商店街として1953年に西側、翌54年に東側が完成した。

 電話線の地中化や横連窓、角部の曲線化など統一されたモダンデザインで、53年に日本建築学会賞(行政部門)を受賞し、全国的に注目を集めた。

 それから50年が経過して老朽化。雨漏りもあって大規模な修繕が必要となり、2006年に地権者による民間主導のまちづくりとして災害対策や耐震建築等の検討が始まり、10年にLSC沼津みなみ地区市街地再開発準備組合を設立。

 市と協議を重ね、14年に基本計画案を策定。市に都市計画を提案し、翌15年に商店街の5街区、18000平方㍍が都市計画決定されたが、地権者の合意形成に時間を要し、組合の再編や施行範囲の変更などを経て、22年に施行範囲を1街区、約3000平方㍍の町方町・通横町第一地区(E街区)に変更して翌23年に事業計画の認可を受けた。

 まちなか居住の促進や新たなにぎわいの創出などを目指して再開発事業の実施設計、建築工事、保留床の業務を一括で受託する特定業務代行者を公募し、タカラレーベン・フジタ共同企業体に決定。昨年10月に解体工事が始まった。

 総事業費は約79億円。このうち国が約22億円、県が約7億円、市が16億円の合わせて約45億円を補助し、鉄筋コンクリート造地下2階、地上10階建て、最高31㍍、地下12階が駐車場、1階が店舗3区画、2-10階に住宅105戸が整備され、28年度中の完成を目指す。

 安全祈願は日枝神社の内海守宮司らにより、祝詞奏上や出席者代表による玉串奉納などが行われた後、施主を代表して水口理事長があいさつ。これまでの経過を説明し、関係者の協力に感謝。「アーケード名店街5街区のうちの1街区で、商店街の再生に向けた第一歩」だとし、鉄道高架事業を中心とした駅周辺のまちづくりに期待した。

 頼重秀一市長は、これまでの歩みに触れ、「民間の力で、まちの更新が先陣を切って行われる。建物には従来のデザインが継承され、次の100年に向けて歩み出す」とし、関係者の協力に感謝。続いて来賓の国会議員による祝辞が行われた。

 この後、海野伸男副理事長が建築パースなどを見せながら事業概要を説明。

「まちなみの維持、管理に住民参加型の管理運営方式を検討している。ひと中心のまちづくりに取り組み、まち全体の魅力向上につながるものと期待し、一日も早い完成を目指す」と話したのに続いて来賓や関係者による鍬入れが行われ=写真、工事の安全を祈願した。

【沼朝令和7103日(金)号】

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