2013年10月10日木曜日

旭園本店」から「グランマ」へ 老舗の菓子店名を変え復活 沼津

「旭園本店」から「グランマ」へ
老舗の菓子店名を変え復活 沼津
 店主長男独立 商店街活性化に一役

 沼津市中心部の上土商店街で長年親しまれながら、15年前に閉店した老舗菓子店「旭園本店」が10日、「グランマ」に名を変えて"復活"する。閉店時の店主の息子が修業先から独立し、「商店街の活性化になれば」と同じ場所に伝統の味を引き継ぐ菓子店をオープンする。
 1901(明治34)に開業した旭園本店は沼津御用邸に長年、菓子を納めていた名店で、沼津市内で初めてカステラを販売した店といわれる。4代目の中川寿一さん(73)は一時、約60人の職人を抱えていたが、営業を担当していた妻の節子さん(73)が体調を崩したことや景気の低迷もあり、98年に店を閉めた。店にはその後、ブランド服店が入店していたが、2年前に退居して空き店舗に。フランスや清水町の菓子店で修業を重ね、県の「ふじのくに食の都づくり仕事人」にも選ばれた寿一さんの長男英俊さん(38)が、独立を考える中で、伝統の場所で店を開くことを決めた。「グランマ(おばあちゃん)」の店名は3代目として店を切り盛りした祖母への思いも込めた。
 寿一さんが考案し、旭園本店時代に親しまれた「ひものサブレ」も復活させる。干物の形をしたフィナンシェなどの焼き菓子とともに「旭治左衛門(あじざえもん)」シリーズと命名し、新たな沼津土産として売り出す。
 英俊さんは「和菓子、洋菓子にこだわらず、遊び心を大切にしたい」と意気込む。「駐車場もない中心部の店の厳しさを体験したので、うれしさ半分、心配半分」と話す寿一さんは陰から店を支えるつもりだ。

《靜新平成251010()朝刊》

0 件のコメント: