2018年7月4日水曜日

国際観光破産手続き 別会社手配、説明会




修学旅行契約で学校混乱
国際観光破産手続き 別会社手配、説明会
 修学旅行などを多く手掛ける「国際観光」(静岡市葵区、西子好之社長)が事業をやめ、自己破産申請の準備に入ったことを受け、県内の学校現場では3日、急きょ別の旅行会社を探したり、保護者説明会を開いたりするなど混乱が広がった。一部の市教委は同社の利用実態を把握するためアンケートを実施した。関係者によると、同社と修学旅行の契約をしている県内の学校は150200校程度に上るとみられ、影響が拡大する可能性もある。
 同社と契約し56日に東京都内への修学旅行を計画していた裾野市立南小は3日夜、緊急の保護者説明会を開き、別の旅行会社を手配したと説明した。同校関係者は「一時は中止や延期も考えた。子供たちには心配を掛けてしまった」と話した。
 静岡市教委は同社を利用して修学旅行を計画している学校を調査した。その結果、小学校86校のうち35校、中学校43校のうち1校で契約していることが分かった。代金の支払いは行われていないという。浜松市教委も同様の調査を行い、3校の契約が判明。今後別の旅行代理店に契約を引き継ぐ方針という。
 一方、国際観光と取引していた静岡市のバス会社幹部は「56月に貸し切りバスを運行した修学旅行の代金を支払ってもらっていない。未収金の全額回収は厳しいだろう。直接の連絡はなく、戸惑いがある」と話した。
 民間の信用調査会社「帝国データバンク」によると、国際観光の最近の年商は10億~20億円で推移していた。役員は元校長ら教職員出身者。創業時は小中学校の修学旅行をほぼ独占して手掛けていたが、近年は少子化や大手旅行代理店の入札参加などが重なり、顧客確保と資金繰りに苦しんでいた。
【静新平成3074()社会面】

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