高尾山古墳周辺整備の「沼津南一色線」
デザイン案4点プレゼン
設計者ら景観形成や安全性
沼津市は8日、古墳時代初期に造られたとされる高尾山古墳(同市東熊堂)周辺に整備する都市計画道路「沼津南一色線」を含む環境デザイン案4点の公開プレゼンテーションを同市のプラサヴェルデで開いた。4点の設計担当者たちが道路と古墳の一体的な景観形成を図るためのアイデアを披露した。
「スルガ古墳ミュージアム」をコンセプトにするグループは、古墳を周回して堪能できる道路設計を提案。別のグループは南北の沼津南一色線と東西に走る地域の道路を立体交差化することで、地域の安全性確保を図った。
このほか、古墳と隣接する神社、道、広場を一体化して「みちにわ」と称した広場への整備や、古墳の完全復元を図るまでの長期計画などの提案がされた。
設計競技実施委員会の5人の委員が専門家の立場から「景観と調和が図られているか」「近隣住民の合意は得られるか」など質問した。頼重秀一沼津市長は「見応えのあるプレゼンテーションだった」と感想を述べた。
沼津南一色線は国道1号と同246号を結ぶ4車線道路。市は西側2車線がトンネルで古墳の真下を通過し、東側2車線は橋を架けるという整備方針を決めている。
(東部総局・福田雄一)
【静新令和2年2月9日(日)朝刊】
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受付番号4番の一次提案
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沼朝2月11日号記事
高尾山古墳と都計道路両立で
デザインコンペで4案をプレゼン
高尾山古墳の保存と道路建設の両立のための道路設計案を決めるデザインコンペ(設計競技)の公開プレゼンテーションが8日、プラサヴェルデ3階会議室で開かれた。
古墳西側の地下にトンネル、東側上空に陸橋を設けて古墳と都市計画道路・沼津南一色線を立体交差させる基本方針に基づいたデザイン案4案の説明と、有識者らによる質疑が行われた。
説明のあった4案のテーマと特徴は次の通り(くじ引きで決まった発表順)。
▽受付番号④築土構木へ立ち返る=古墳東側の陸橋は中間に橋脚を造らず、橋のたもとに位置する橋台を大きくし、その中に半地下式の古墳関連展示スペースを設ける。
▽⑤スルガの記憶をまもり文化をつなぐ=古墳周溝部(古墳を囲む空堀)に1本の橋脚を設けるが、陸橋全体が高くなるため、古墳墳丘部の復原部分と陸橋が重ならない。
▽①ふるさとの風景をつくる「みちにわ」=陸橋西側に歩道を併設し、見学者が陸橋から古墳を眺められるようにする。周辺に広場や親水公園を造り、小屋状の展示施設を設ける。
▽②伝承の道~古代と未来をつなぐ~=古墳北側に展望デッキを設ける。古墳周辺を公園化し、あずまや状の休憩スポットや、東側を流れる谷戸川の親水空間を設ける。
質疑は設計競技実施委員会の委員らによって行われた。同委は、法政大教授で景観や土木構造物のデザインが専門の福井恒明さんが委員長を務めている。
最優秀案の選考結果は、3月上旬ごろに発表される予定。
【沼朝令和2年2月11日号】
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