杉原千畝夫妻 沼津に顕彰碑
幸子夫人出生地で有志建立へ
第2次世界大戦中、ドイツ軍の侵攻から逃れるユダヤ人にビザを発給して命を救った外交官杉原千畝(1900~86年)と活動を支えた幸子夫人(1914~2008年)の功績をたたえる顕彰碑の建立計画が、幸子の出生地の沼津市で「命のビザ・杉原千畝夫妻顕彰会」によって進められている。同市の港口公園に建立し、除幕式を11月に行うという。
命のビザ発給80年
企画したのは顕彰会の代表で長興寺(同市大塚)の松下宗柏住職。幸子夫人は同市末広町生まれで、戦後には杉原一家が沼津の上香貫にある幸子夫人の親戚宅で約4カ月間生活したこともあり、沼津に縁がある杉原夫妻の功績をたたえようと計画した。千畝がリトアニアでユダヤ難民にビザを発給した1940年から今年で80年となる節目に合わせて呼び掛けたという。
顕彰碑は幅1・3㍍、高さ1・5㍍の石碑で、夫妻の肖像立体レリーフを設置する。ビザ発給について記した千畝の手記の一節と幸子夫人の短歌も刻む。制作費はクラウドファンディングで約220万円を集めた。
松下住職はビザを発給した千畝本人だけではなく、その決断を支えた妻の幸子夫人の功績をたたえるべきと考え、今年4月に顕彰会を設立。顕彰碑の設置に向けた準備を進めた。碑の御影石を市内の真島石材工業が提供したり、千畝の母校早稲田大の地元同窓会の支援を受けたり、多くの助けがあったという。
松下住職は「多くの人命を助けた夫妻に縁があることは沼津市の誇り。子どもらに人道について知ってもらう機会になれば」と意気込んだ。(マコーリー碧水)
【静新令和2年8月10日(月)朝刊】
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