2022年3月9日水曜日

東伊豆町長に岩井氏 60年ぶり 新人の無投票当選

 

新人岩井氏が届け出東伊豆町長選

無投票の公算


 任期満了に伴う東伊豆町長選は8日告示され、無所属で新人の元自民党参院議員岩井茂樹氏(53)が立候補を届け出た。他に立候補の動きは見られず、無投票の公算が大きい。

 立候補の届け出は同日午後5時まで町役場で受け付ける。選挙戦になった場合、投票は13日午前7時から午後6時まで、町内9カ所で行われ、午後7時半から町役場で即日開票される。期日前投票は912日、町役場(午前8時半~午後8)と町立図書館(午前8時半~午後5)で行われる。

 7日現在の選挙人名簿登録者は1506(5065人、女5441)

  人口減対策に力 第一声

  岩井茂樹候補は、東伊豆町稲取の稲取漁港で第一声を放った。人口減少対策が重要とし、「移住定住者と地域をつなげる懸け橋になりたい」と訴えた。人口増には働く場所づくりが必要として「農業や漁業を稼げる産業にしたい」とカを込めた。その上で「行政と民間企業、町民が連携する町にしたい」と聴衆に呼び掛けた。

【静新令和438日(火)夕刊】

 

 東伊豆町長に岩井氏

60年ぶり 新人の無投票当選


 任期満了に伴う東伊豆町長選は8日午後5時に立候補の届け出が締め切られ、無所属で新人の元自民党参院議員岩井茂樹氏(53)以外に届け出はなく、無投票での初当選が決まった。同町長選で新人の無投票当選は1962年以来、60年ぶり。国会議員経験者が小規模自治体の町村長に転身するのは、全国的にも珍しい。

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 岩井氏は21年の知事選敗戦後、商工業者の要請を受け、同年秋に同町に移住。同年11月の出馬表明後は幅広い層から支持を集めた。元参院議員の知名度を生かし、町内をくまなく回って支援を訴え、対抗馬の出現を阻んだ。

 午後520分、同町稲取の事務所で支援者に出迎えられた岩井氏は「町の課題を総点検し、子どもたちの世代に町を引き渡していく施策を進めたい」と決意を述べた。

 東伊豆町長の略歴

 岩井茂樹氏(いわい・しげき)名古屋市生まれ。建設会社員などを経て、2010年に参院静岡選挙区で初当選し、国土交通副大臣などを歴任。知事選出馬のため、2期目途中の21年に辞職した。名古屋大大学院修了。稲取。

 

 安定の町政運営へ議会と関係構築を

 (解説) 過去最長の416年を務めた太田長八東伊豆町長の後任は、元参院議員として高い知名度を誇る岩井茂樹氏が無投票で選ばれた。

 太田町政の後半は稲取漁港直売所整備などを巡り、しばしば町長と議会が対立した。移住して半年の岩井氏にはまず、安定した町政運営のために議会との関係構築が急がれる。

 急速な少子化に伴う小中学校再編計画の見直しや人口減少対策、厳しい財政運営など町政課題は山積みだ。人ロ1万人余りの小さな町では、国政とは違ったきめの細かさが求められる。豊富な政治経験をどう生かすか、町民の期待は大きい。

東伊豆町新町長の抱負

 岩井茂樹氏 教育推進人口増目指す


 2021年の知事選敗戦後、参院議員だった父・国臣氏の秘書時代から16年余り交流してきた東伊豆町の商工関係者から、町のかじ取り役に推された。地縁のない町での重責に「東伊豆に骨をうずめる覚悟」と決意を語る。

 国土交通副大臣も務めた中堅議員から、人ロ11千人の町長への転身は全国的にも珍しい。「国会議員を経験して、小さい自治体ほど政治家と現場の距離が近く、手腕が試されると感じた。だからこそやりがいがある」と気を引き締める。町は30年で約3割が減った人口減対策が急務だ。「人口を15千人に増やしたい」と大きな目標を掲げる。情報技術を活用した質の高い教育の推進で子育て世代の町外流出を防ぎ、移住者向けの不動産情報の可視化、水産業と観光業を関連づけた新たな雇用創出も目指す。

 「町外出身だからこそ、町を俯瞰(ふかん)して見られるのが自分の強み」と強調する。「まずは町民の話を聞くことからスタートする」と、就任後も町民説明会などを開き、住民との対話を続ける考えだ。

 建設会社勤務時代は、ダム工事の現場監督を経験。富士常葉大(現常葉大)の非常勤講師も務めた。趣味はダイビングにキャンプとアウトドア派。家族は妻と4歳の長女。

【静新令和439日(水)朝刊】

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