「江原素六翁かるた」が完成
人物像や考え方、逸話など凝縮し
沼津市制百周年記念プロジェクトの一環として沼津郷土史研究談話会(沼津史談会)が取り組む「歴史と文化のまちづくり塾」の第4回が4月16日、市立図書館講座室で開かれ、完成した「江原素六翁かるた」=写真=の画像研究を行った。同会副会長兼よろず相談所主人の長谷川徹さんが制作時の裏話も交えて、「あ」から「ん」までの札をスライドを使って一枚一枚ていねいに解説。文章からイメージを膨らませて絵に転換し絵札の原画を描いた西高生の能力を絶賛した。
同かるたは沼津観光協会が発行。絵札を西高芸術科美術専攻の18、19、20期生42人が思い思いに描いたことでも話題を呼んだ。
このかるたには、楽しく遊びながら江原素六翁の人物像や考え方、逸話などを理解してもらおうという願いが込められている。その読み札を手掛けたのが沼津史談会。札の裏には分かりやすい説明文を書き、沼津を愛した、様々な顔を持つ江原翁の人生を言葉にし、最終的には専門家である明治史料館学芸員の厳しいチェックを受けて完成させた。
俳句や短歌を嗜(たしな)む4人の会員が「ああじゃない、こうじゃない」と半年かけて文言を探り、中には字足らずや字余りもあるものの、裏面に説明を施し、素六像をたどりやすくした。
中でも長谷川さんのお気に入りは「ゑこひいき 付度なしの 素六翁」と「磊落(らいらく)で 天真燗漫 人を引きつけ」だとか。
教育、政治、信仰、社会運動、地場産業の振興や弱い立場の人に寄り沿う姿など多面的な素六翁に触れる中で、これまで史料館でも把握していなかった新発見もあったようだ。
沼津信用金庫から市内小中学校に贈られた同かるたは教材としても活用されて・いる。
素六翁のお膝元、金岡小の5年生からは礼状と共に、早速それぞれの感想が寄せられた。「4年生のフィールドワークで学んだ江原素六のことが、より深く分かった」「苦手だったお茶が飲めるようになった」など。
世代を超えて楽しみながら郷土の礎を築いた江原翁の足跡をたどるのもおもしろそうだ。
価格は2000円。観光協会(沼津駅ビル2階)、史談会よろず相談所(上本通りの柳屋化粧品店内)で販売している。
【沼朝2023年(令和5年)5月7日(日曜日)】
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