■選挙区攻防 6区■
<沼津市、熱海市、伊東市、下田市、伊豆市、伊豆の国市、東伊豆町、河津町、南伊豆町、松崎町、西伊豆町、清水町、長泉町〉
5度目対決に新人参戦
衆院解散表明から初の週末となった5日。沼津市大岡の八幡神社で開かれた秋祭りで、境内の出店を巡る自民の勝俣孝明氏の姿があった。「私に直接というより、自民党しっかりしろ、という声が多い」。所属した旧二階派でも発覚した裏金問題の逆風を実感する。
前回2021年の衆院選で、悲願の小選挙区初勝利を果たした勝俣氏は、任期甲に農水副大臣や衆院外務委員長などに就任。多忙な中でも、前回選で勝ちきれなかうた沼津市を中心にこまめに地元を回つてきた。ただ、伊豆南部の固い保守地盤に不安要素もある。昨年の県議選(下田市・賀茂郡選挙区)、今年の下田市長選がいずれも保守分裂となり、しこりが残る。地元関係者は「一枚岩になれるか」と心配する。
立民の渡辺周氏は前回選で、1996年の初当選以来初めて、小選挙区で敗北した。2023年の県議選(長泉町選挙区)では、長年秘書として周氏を支えた実弟の迅氏が僅差で落選。父の朗氏から引き継いだ強固な後援会組織にも陰りが見えつつある。「政治家である以上、小選挙区で勝ちたい。前回の票差(4420票)は挽回不能ではない」と裏金問題を追い
風に巻き返す構え。
昨年の県議選で、渡辺氏に近い地元県議が共産党と接近し、この
県議と連合静岡との間ですきま風
が吹いた。もともと微妙だつた渡
辺氏と連合の関係にも影響が及び
かねなかつたが、意識して以前よりも労組の会合に顔を出すようにしたことなどで渡辺氏を評価する声も聞かれるようになり、8月には推薦も出た。ただ「まだ、応援するモードではない」(労組関係者)。信頼関係の再構築は道半ばだ。
12年以来5度目となる両氏の対決に公示直前、割って入ったのが都内在住でれいわの冨谷皐介氏。スルガ銀行のシェアハウスを巡る不正融資の被署者で、被害者団体の代表も務める。これまで沼津市内の同行本店前などで度々、抗議活動を展開してきた、「不正融資の被害に遭い、国の制度のおかしさを実感した。国民みんなが被害者」と自民政治の打破を訴える。
第三の候補の登場に、勝俣陣営は「14年前に退職したとはいえ、(勝俣氏の)元スルガ銀行社員の経歴が影響するか」、渡辺陣営は「反自民票をどれだけ奪われるか」と気をもむ。前回選で維新の新人候補が得た約2万票の行方も見通せず、今回も激戦は必至だ。
【静新令和6年10月12日「2024衆院選しずおか」】
衆議院が15日に公示
小選挙区静岡6区は3氏の争いか
衆議院は9日に解散。総選挙は15日公示、27日投・開票の予定で行われる。
小選挙区静岡6区では、いずれも前衆院議員の勝俣孝明氏(48)と渡辺周氏(63)、新人で消費者問題救済支援団体「ReB〇RNs」代表の富谷皐介(とみたにこうすけ)氏(55)が立候補の準備を進め、各方面へのあいさつ一回りなど、事実上の選挙戦に入っている。
勝俣氏は自民党、渡辺氏は立憲民主党、冨谷氏は、れいわ新選組の公認。 今回選は新内閣発足から間もないスピード解散で、各陣営にとっては慌しい中での選挙となるが、安倍晋三内閣時代から政権が抱える問題に対して有権者が、どのような判断を示すか。また、自民だけでなく、立憲、公明、共産と、いずれも党首が代わって初の選挙でもあり、各党にとって力が入るところだ。
15日からの選挙戦一は、各予定者が立候補の届出後、街頭に打って出て始まる。勝俣氏は午前10時半から五月町の選挙事務所(学園通り、フードストアあおき向かい)前で出発式、渡辺氏も10時半から大手町の中央公園で出陣式、富谷氏は11時から沼津駅北口広場で出陣式を開き、第一声を放つ。
渡辺氏の選挙事務所は下石田の旧国道一号沿い、きせがわ自動車学校東側、冨谷氏は沼津駅北口広場向かいの寿ビルに構える。
【沼朝2024年(令和6年)10月12日(土曜日)】
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