第一、二中校区を統合
小学校26年度 中学校27年度 沼津市教委が方針
沼津市教育委員会は4日、少子化に伴う第二中校区の学校再編について、第二、千本の両小学校を第一小へ、第二中を第一中にそれぞれ統合し、小学校は2026年4月、中学は27年4月の開校を目指すとする再編案を承認した。改めて両校の統合が動き出すことになった。
第一、第二中の統合を巡つては、一部住民の反発が強いことなどから21年にいったん白紙に戻った後、23年から再度、地域住民を交えた「学校の未来を考える会」を組織し、昨年9月まで議論を深めてきた。
市教委は「考える会」で反対意見の多かった第一小、第一中への統合を判断した理由について「仮に二中校区のみで統合しても、児童生徒は減少し、短期間で再び、学校再編を議論する必要が生じる」と強調。保護者は半数が二中以外への進学を望んでいて「委員との意見に方向性の違いが確認された」と説明した。
既に発生している千本小の複式学級が拡大する見通具体的「未来像」提示を記者の倒しなどを踏まえ、小学校を先行して統合する必要性も示した。
保護者や住民には2月下旬から3月上旬に説明会を開く。統合後の通学方法や校名、校歌などは25年度に委員会を設置し、検討を進める。奥村篤教育長は「児童生徒の高い潜在力が、より磨かれる学校になると信じている」と述べた。
☆記者の目 具体的「未来像」提示を
沼津市の第一中、第二中校区の学校再編は、2021年の白紙化前の案と同じ第一小、第一中への統合方針が再び示された。時計の針を戻しただけに終わった案の提示に、住民の納得が得られるのか疑問が残る。
学校再編の枠組みだけでなく、将来像も議論するはずだった「学校の未来を考える会」は枠組みの議論に多くを割き、委員間の対立を広げてしまった。11案を盛り込んだ会の意見書には統合校を特別な学校に位置づける前向きな案も見られたが、少子化が進み、再編が不可欠な以上、学校の「中身」から控組みを考えるべきだったのではないか。
現時点で、布教委は枠組みのみを示した。住民の理解を得るには新たな「中身」が重が重要といえる。子どもたちの潜在力を引き出す学校の教育とは何なのか。地越間の対立を解きほぐす意味でも、異体的な将来像の明示が不可欠だ。
(東部総局・尾藤旭)
【静新令和7年2月5日(水)朝刊】