2012年6月27日水曜日

「シンボル消える」西武撤退

西武沼津店閉鎖へ 2013年初め、経営効率化(2012/6/27 12:46)  セブン&アイ・ホールディングスは27日、傘下のそごう・西武が運営する百貨店、西武沼津店(沼津市)と、そごう呉店(広島県呉市)を来年初めに閉鎖する方針を固めた。  郊外型の大規模ショッピングセンターなどとの競争が激化し、両店の売り上げは苦戦していた。セブン&アイはことし1月にも、そごう八王子店(東京都八王子市)を閉鎖している。  そごう・西武は、西武池袋本店(東京都豊島区)など都心部の主力店へ経営資源を集中し、不振店舗の閉鎖により経営効率化につなげたい考え。両店の従業員は、そごう・西武の全国の他店舗を中心に配置転換する。  今回閉鎖する西武沼津店は、1957年開業で売り場面積が約9700平方メートル、そごう呉店は90年開業で同約2万1千平方メートル。2012年2月期の売上高はそれぞれ74億円、89億円で、それぞれピーク時から6~7割の減収となり赤字基調が続いている。  西武池袋本店の改装効果もあり、収益力は改善傾向にある。そごう・西武(単体)の12年2月期決算は、売上高が1・9%減の8303億円だったのに対し、営業利益は51・1%増の111億円と大幅増益だった。 「シンボル消える」西武撤退  沼津 商業関係者に衝撃  ひときわ大きなシンボルが消えるー。セブン&アイ・ホールディングスが西武沼津店の撤退方針を固めたことが明らかになった27日、沼津市の商業関係者らは衝撃を隠さなかった。2004年には丸井沼津店が閉店し、富士急百貨店も大幅縮小したまま。沼津市中心部の商業空洞化が一段と進むことが懸念される。  市商店街連盟の芦川勝年会長は「開業から55年間、街とともにあった西武さんに感謝したい」とした上で、「街の集客機能や回遊性について、これまで以上に危機感を持って考えなければならない」と厳しい表情を浮かべた。JR沼津駅の南北を結ぶ暫定自由通路を早期に開設すべきと強調した。  西武沼津店は2010年にも撤退話が持ち上がった。市川厚会頭は「中心街をどうするかの議論や勉強は重ねながらも、具体的な行動につながっていなかった。撤退を引き留められなかったのは、われわれの努力が足りなかった」と苦汁の様子。市や沼津商工会議所の中心市街地活性化に向けた取り組みは、JR沼津駅南口の最大の核である西武の存続を前提にしてきた。市川会頭は「当然、練り直しが必要。従来以上にスピード感をもってあたる」と力を込めた。  沼津市役所は情報確認に追われた。栗原裕康市長は「(撤退が)本当のことであれば大変残念。情報を確認している」とコメントした。  市民も撤退を重く受け止めた。沼津駅前を散歩していた同市下香貫の平尾良威さん(72)は「昔から家族で来る機会が多いなじみの店で、なくなるのはショックだ。JRの特急あさぎりの撤退など沼津は寂しい話が続き過ぎ」と話した。 (静新平成24年6月27日夕刊)

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