ビュフェ作品632点譲渡
スルガ銀と本社が契約
スルガ銀行と静岡新聞社は13日、同行が保有するベルナール・ビュフェの美術作品632点の譲渡契約を結んだ。作品は「ベルナール・ビュフェ美術館」(長泉町東野)を運営している一般財団法人が引き続き管理し、従来通りに展示公開する。
譲渡対象となった作品には「肉屋の少年」(1949年)や「キリストの受難復活」(51年)、「ニューヨーク・マンハッタン」(58年)など、ビュフェが世界的な脚光を浴びた初期段階の代表作の大半を含む。両社は譲渡額について明らかにしていない。
スルガ銀行によると、譲渡先の選定を巡っては、地域の重要な文化施設である美術館の運営継続を前提に、作品の転売などによる散逸防止や過去の美術展開催の実績などを総合的に考慮した。複数の候補の中から静岡新聞社に決まったという。
スルガ銀は現在、シェアハウス問題の早期解決や経営再建に取り組んでいる。2019年度からの中期経筥計画で財務基盤の強化に向けた経営資源配分の最適化を取り込み、今回の譲渡はこうした流れの一環と説明している。
静岡新聞社総務局は「地域貢献に資すると判断して譲渡を受けた。今後も本県の文化発展に寄与したい」としている。
☆ベルナール・ビュフェ美術館
戦後の具象画壇を最適化を盛り込み、代表するフランスの画家ベルナール・ビュフェ(1928~99年)の油彩画や水彩画、デッサン、ポスターなど計2000点以上を収蔵し、ビュフェ作品の世界一のコレクションで知られる。スルガ銀行の3代目頭取を務めた故岡野喜一郎氏により73年11月、長泉町東野のクレマチスの丘に開館した。運営は静岡新聞社の大石剛社長が理事長を務める一般財団法人が行っている。
【静新令和3年1月14日(木)朝刊】
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