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2018年11月9日金曜日

沼津の鉄道高架 土地収用手続きへ


沼津の鉄道高架
土地収用手続きへ 市の将来像具体化急務
 JR沼津駅付近鉄道高架事業を巡り、高架化の前提となる貨物ターミナル移転用地(沼津市原地区)の取得に向けて、県と市が土地収用法に基づく手続きに着手し、土地の立ち入り調査が行われた。構想から30年余、事業認可から12年を迎える中、本体着工への動きが具体化する。県と市は事業完了への道筋を早急に示した上で、沼津駅周辺や市全体の将来像を市民を巻き込んだ形で議論し、まちづくりを具体化させる必要がある。
 沼津駅周辺のJR東海道線など計約5・3㌔を高架化し、現在の車両基地を片浜地区に、貨物駅を原西部地区に移転する同事業。南北交通のボトルネック解消とともに鉄道跡地(約5・6㌶)や高架下などの利活用が可能になり、市は民間投資を含めて「駅前空間や中心街を大きく変えるチャンス」と捉える。事業進展を見据え、駅前の一部の土地を都市再生機構(UR)が取得。本年度から官民の関係者や有識者による「中心市街地まちづくり戦略会議」が発足する。
 ただ、高架化実現が中心部活性化に直結するわけではない。市は事業完了を念頭に、車ではなく歩行者らの利便性を重視した駅前空間の形成やまちなか居住の促進を構想する。今後も続く人口減少や高齢化に合致した持続可能な都市機能とは何なのかー。財政の長期的な見通しや公共施設の再配置なども考慮し、「商業地」という従来の発想を転換して中心市街地の在り方を考える姿勢も必要だろう。
 貨物夕ーミナルが整備される原地区も同様だ。事業に反対し、土地収用裁決の事前差し止めなどを求めて国、県などを相手取る裁判を継続する地権者がいる一方、容認姿勢の住民からは「貨物駅ができて終わりなのか。原地区の振興はどうなるのか」と今後を不安視する声が漏れる。
 事業推進を明言して4月に初当選した頼重秀一市長は原地区を中心とした市西部地域の物流拠点化構想を打ち出し、隣接する富士市との連携にも意欲的だ。24件という多数の地権者に対し法的手続きに踏み切った以上、事業への覚悟とともに原地区の将来像を積極的に語ってほしい。
 鉄道高架だけでも約787億円を投じる巨大事業が動き出す。財源に限りがある中、都市基盤整備を最大限に生かして中心市街地や原地区で新たな"沼津の顔"を見せることができるか。リーダーの手腕が間われる。(東部総局・中村綾子)
【静新平成30年11月9日(金)「解説・主張SHIZUOKA」】

2012年9月8日土曜日

区画整理事業 完了を祝い記念式典

 沼津駅北口の区画整理事業
 完了を祝い記念式典


 独立行政法人都市再生機構は7日、沼津市のJR沼津駅北口一帯で進めてきた「静岡東部拠点第一地区土地区画整理事業」の完了を祝う記念式典を同市内で開いた。
 沼津駅周辺のにぎわいづくりなどを目指す同事業は2000年3月、国の事業認可を受けた。約158億円かけて12・1㌶を整備した。
 式典には、地権者らでつくる土地区画整理審議会委員や国、県などの関係者約50人が出席した。同機構東日本都雨再生本部の榎本平副本部長はあいさつで「中核都市にふさわしいまちづくりの一端を担えたことを感謝する」と述べた。
 事業経過が報告され、出席者は今後も駅周辺の拠点性を高めていくことを確認した。
(静新平成24年9月8日朝刊)

2012年9月5日水曜日

プラサ・ヴェルデの活用は?

プラサ・ヴェルデの活用は?

 商議所会頭と駅北地域商工相談員が意見交換

 沼津商工会議所は、地域のニーズを把握する「商工会議所会頭と会員事業所との懇談会」を先月、沼津労政会館で開き、駅北地域(第五、六、七、八、九ブロック)の商工振興委員(商工相談員)約三十人が出席した。同地域で話題となっている「プラサ・ヴェルデについて」をテーマに意見交換した。同懇談会は市内を南北に分けて開催している。
 南北自由通路間に合わないか
 来年6月には新キラメッセ開所
 はじめに商議所の市川厚会頭が、昨年夏の狩野川花火大会における「大船渡児童の招待事業」で、当初六百五十万円程を見込んだ協賛金が市民らの協力で千三百万円程集まり、県の補助金を入れて千五百万円の予算となったため、同事業で余ったお金で大船渡市小中学生の送迎用バスを寄付したことなどを話した。
 一方で、商議所と市役所の関係などについて「市と会議所の経営をどうしていくか、市だけで行政をやっていて果たしていい行政ができるのか。会員(事業所)の意見を集約して何度も何度も行政に提案し、行うべき政策を説明しなければならない」などと説明。
 鉄道高架事業についても「事業を始めて(経営成績が)良くなかったら、少しでもいい方向に経営を向けていくのが民間経営者の考えだ。(高架推進にも)皆さんの意見が必要になる」と語った。
 引き続き、市産業振興部静岡県東部地域コンベンション・ビューロー担当の杉山正人参事がプラサ・ヴェルデ(ふじのくに千本松フォーラム)について説明した。
 旧キラメッセぬまづは暫定的に造られた施設で天井から日の光がもれたり、中の音が外にもれたりしたこと、今回の施設は設計段階でヤマハによって音響が計算されており、歌謡コンサートレベルならば支障はないことを話した。
 また、来年四月に指定管理者が入り、六月のオープンに向けて運営開始することになるが、あらかじめ設定した料金が近隣施設と比べて低く、「指定管理者が、この設定値を下げることはないだろう」などとした。
 杉山参事が担当するコンベンション・ビューローでは、プラサ・ヴェルデの売り込みを各界に行っていて、その方向性としてMICEがあるという。
 MICEはミーティング(企業などの会議)、
インセンティブ(企業などが行う報奨・研修旅行)、コンベンション(国際会議や全国規模の大会、学会)、エキシビジョン(展示会、見本市、イベント)のことで、大会等への参加者が宿泊し、買い物をすることで地域にお金が落ちることが期待されている。
 杉山参事は「(MICE誘致以外に)経済波及効果をどう生かすかも大事になってくる。MICE参加者が普通の旅行と違うのは現役の社会人であること」だと指摘。
 施設利用の営業に回ると、「何か(同施設を利用することのメリットは)あるのか」と聞かれ、海や富士山などがある、と答えると、けげんな顔をされることから、「(観光客ではないので)そういうことよりもコンベンション開催者にとっての(開催目的に合った)メリットが必要だと感じている」とも話した。
 この後、懇談会に移ると、「プラサ・ヴェルデが出来ることにより沼津駅前の発展と市全体の活性化にどう結び付くのか」という質問があった。
 これに対し、市川会頭は市民の五五%が南北の自由通路がないことを疑問視していることを指摘する一方、プラサ・ヴェルデで営業する民間事業者によるホテル百五十室だけでは大型コンベンション参加者には足りないため、市内の宿泊施設や市外にも及ぶ広域施設が潤うだろうとの見方を
示した。
 また、施設内の土産品などの販売所では、地元の商店にカタログを持って商品を申請してもらうことで販売できるようになるだろうとの見通しも示した。
 続いて、市川会頭が「西武百貨店の撤退後について何かあるかと委員側に問いかけると、「商工会議所が入るというのもアイデアかなと思う。(商業者の)先頂をきって西武百貨店に入れば(消費者らの)人の流れを作ることになるのでは」という提案があった。
 この提案者は「南北がこれだけアクセスが悪い状態で(鉄道高架完成までの)十年、二十年待たなければならないのか、ということにもなる。とにかくJR東海との協議を迅速にして、(南北自由通路を)コンベンションの完成に間に合わせるようにしてもらいたい」と求めた。
 これについて市川会頭も「非常にいい意見をいただいた」として、中心市街地活性化に向けた自論を展開した。
《沼朝平成24年9月5日(水)号》

2012年8月31日金曜日

PIに市民不信感:沼津の鉄道高架事業

 PIに市民不信感:沼津の鉄道高架事業
 県は核心突く議論急げ

 事業着手から10年目を迎えた沼津市のJR沼津駅周辺の鉄道高架事業をめぐり、県が行っている住民参加型の合意形成手法パブリックインボルブメント(PI)。県は「不幸を生まない解決策の模索」と位置付けるが、市民の理解度はいまひとつ。県はPIの目的を再度明確にし、核心を突く議論ができる環境づくりを急いでほしい。

 同事業は交通の円滑化や防災力強化などを目的に、約30年前に計画が浮上した。高架化には駅付近の貨物駅の移転が不可欠だが、移転予定地の原地区の地権者らの反対が根強く、用地取得率は7割で頭打ちの状態。2010年には川勝平太知事が「強制収用しない」と明言し、事実上、凍結状態になった。

 県は昨年、有識者会議の結論を受け、事業の推進方針を打ち出し、貨物駅の移転計画も「妥当」とした。その一方で、徹底した合意形成の必要性も強調し、計画の見直しも含めて議論するPIの導入を決めた。

 県の曖昧な姿勢に、市民は混乱している。推進派の男性(59)は「駅前の再開発が着々と進み、推進方針も示されたのに、なぜ今さらPIをやるのか。結論を先延ばしにしているだけではないのか」と憤る。一方、見直しを訴える男性(68)も「PIの前提に推進方針があるのなら、いくら時間をかけて議論しても無駄。反対派への"ガス抜き"にしかならない」と不信感をあらわにする。

 PIでは本年度中に6行程(ステップ)の議論を行い、現計画や代替案を検証する。最終的には議論の結果を踏まえた推奨案を知事に提示する予定だ。県はあくまでも、住民とのコミュニケーションを重視し、合意形成を目指すが、このままではかえってPIに不信感を抱く住民が増えてしまうのではないか。

 PIは現在、地域の将来像や課題を話し合うステップ2の段階でとどまっている。県はこの4カ月間、まちづくりに関する意見を聴く「オープンハウス」「車座談議」などを重ねている。現在は個別の意見を収集するだけで、合意形成に向けた話し合いがいつ始まるのかは不透明だ。

 まちの将来を左右する重大な問題について、できるだけ多くの人から意見を聴くことは大切だが、中心街が低迷している沼津市に、残された時間は少ない。このまま結論が先送りになる事態は避けなければならない。県は今までに挙がった意見を集約し、次のステップに住民を速やかに導いてほしい。(東部総局・豊竹喬)
(静新平成24年8月31日「解説・主張しずおか」)

2012年7月15日日曜日

求められるスピード感

西武沼津店閉店後の新たな核づくり 求められるスピード感  中心街空洞化歯止めを  沼津市が中心市街地活性化の岐路を迎えている。来年1月末の閉店が決まった西武沼津店は、1990年代半ばに大型店の撤退が始まったJR沼津駅周辺部にとり、最後の頼みともいえる存在だ。中心部の空洞化に歯止めがかからなければ、県や市などが継続している各種の駅周辺整備事業も生きない。再生の取り組みにはスピード感が必要だ。  そごう・西武が沼津撤退を表明した6月27日、沼津市は庁内横断組織の駅前都市機能検討委員会を発足させた。翌28日には沼津商議所などの中心市街地活性化協議会も専門部会を設立した。ともに目的は中心市街地の都市機能の再生と集積だ。  市の委員会はまず、西武沼津店の地権者らの意向を集約し、施設や土地の今後の生かし方について方向性を定める方針だ。内村博隆企画部長は「どのような行政の支援ができるか早急に探る。権利者のヒアリングは可能な限り7月中に行う」と強調する。  沼津駅の北側では大型コンベンション施設「プラサ・ヴェルデ」の建設が進んでいる。2013年夏に市の展示イベントホール、14年夏には県の会議場などが相次ぎ開業する。新たな都市機能の整備は街にとってプラスの要素だが、現状ではそのインパクトを十分に生かし切れないとの指摘がある。  市商店街連盟の芦川勝年会長は「駅南北の往来がしづらい上、西武跡の利活用が定まらないままでは、コンベンションで訪れる人々にマイナスの印象を与える」と危機感を口にする。市商連も近く会合を持ち、商業者の立場で影響や対策について意見交換する。  西武沼津店前のさんさん通りは毎年、県東部の最高路線価がつく一等地。沼津の玄関の再生は、地権者らの意向が尊重されるべきだが、同時に、従来に増して市のリーダーシップが求められている。(東部総局・田辺貴一) (静新平成24年7月15日「クローズアップ」)
 沼津・鉄道高架事業Pl委  勉強会の人選難航 工程遅れに懸念も  県は14日、JR沼津駅周辺鉄道高架事業に関するPI委員会(委員長・石田東生筑波大教授)の第5回会議を沼津市の県東部総合庁舎別棟で開き、パブリックインボルブメント(PI)の進捗(しんちょく)状況や市民から寄せられた意見を報告した。  県は4月から、PI実施計画に基づき、事業の概要説明や意見聴取を行うオープンハウスを市内で延べ6カ所、11日間行った。自治会や市民団体などと意見交換する車座談議も17回開いた。  この過程で市民から「都市計画決定し、事業認可も取得した事業なので進めるべき」「沼津駅は自由通路と橋上駅程度で十分」「高架事業だけでなく、まちづくり全体の議論をするべき」など、さまざまな意見が挙がったという。  PI実施計画は、事業の推奨案を選定するまでに6段階(ステップ)の工程を設けている。現在はステップ2の「目標の設定」の途中。県は今夏中にステップ2を終えたいとしているが、中心市街地や貨物駅移転予定地域の課題、将来像を具体的に話し合う勉強会の参加者選出作業に難航しているという。  石田委員長は「拙速な議論は避けなければならないが、このままではスケジュールに遅れが出てしまう。PIそのものや勉強会の意義をもっと分かりやすくして参加者を募るべき」と指摘した。  県は近日中に広報紙や新聞折り込みなどを利用して、市民にPIの解説などを行いながら勉強会の開催を目指したいとしている。 (静新平成24年7月15日朝刊)

2010年5月11日火曜日

鉄道跡地利用検討懇

 鉄道跡地利用検討懇が発足
 機能論議、秋に報告
 沼津市は10日、識者や市内各種団体の代表らによる「鉄道跡地利用検討懇話会」を発足させた。検討対象は、JR沼津駅周辺の鉄道高架に伴い移転が計画されている車両基地やJR貨物沼津駅用地など約6㌶。期待する機能を議論して絞り込み、早ければ9~10月をめどに市長に報告する。
 6㌶は、JR沼津駅の東側1・7㌶、西側2・3㌶のほか、さらに西側の同市本のJR貨物沼津駅の2㌶も見込んでいる。懇話会は市自治会連合会、沼津商工会議所、企業経営研究所、県東部地域支援局の各代表者と公募委員など13人で組織し、任期は来年3月末まで。会長に元市助役の竹内直文民間都市開発推進機構常務理事を選出し、駅周辺総合整備事業などの関連事業について市担当者から説明を受けた。会合は3回を予定しているが、回数を増やす可能性もあるという。
 委員を委嘱した栗原裕康市長は「鉄道高架は市にとって不可欠な事業。さまざまな観点から土地利用のあり方を検討してほしい」と述べた。
(静新平成22年5月11日(火)朝刊)