プラサ・ヴェルデの活用は?
商議所会頭と駅北地域商工相談員が意見交換
沼津商工会議所は、地域のニーズを把握する「商工会議所会頭と会員事業所との懇談会」を先月、沼津労政会館で開き、駅北地域(第五、六、七、八、九ブロック)の商工振興委員(商工相談員)約三十人が出席した。同地域で話題となっている「プラサ・ヴェルデについて」をテーマに意見交換した。同懇談会は市内を南北に分けて開催している。
南北自由通路間に合わないか
来年6月には新キラメッセ開所
はじめに商議所の市川厚会頭が、昨年夏の狩野川花火大会における「大船渡児童の招待事業」で、当初六百五十万円程を見込んだ協賛金が市民らの協力で千三百万円程集まり、県の補助金を入れて千五百万円の予算となったため、同事業で余ったお金で大船渡市小中学生の送迎用バスを寄付したことなどを話した。
一方で、商議所と市役所の関係などについて「市と会議所の経営をどうしていくか、市だけで行政をやっていて果たしていい行政ができるのか。会員(事業所)の意見を集約して何度も何度も行政に提案し、行うべき政策を説明しなければならない」などと説明。
鉄道高架事業についても「事業を始めて(経営成績が)良くなかったら、少しでもいい方向に経営を向けていくのが民間経営者の考えだ。(高架推進にも)皆さんの意見が必要になる」と語った。
引き続き、市産業振興部静岡県東部地域コンベンション・ビューロー担当の杉山正人参事がプラサ・ヴェルデ(ふじのくに千本松フォーラム)について説明した。
旧キラメッセぬまづは暫定的に造られた施設で天井から日の光がもれたり、中の音が外にもれたりしたこと、今回の施設は設計段階でヤマハによって音響が計算されており、歌謡コンサートレベルならば支障はないことを話した。
また、来年四月に指定管理者が入り、六月のオープンに向けて運営開始することになるが、あらかじめ設定した料金が近隣施設と比べて低く、「指定管理者が、この設定値を下げることはないだろう」などとした。
杉山参事が担当するコンベンション・ビューローでは、プラサ・ヴェルデの売り込みを各界に行っていて、その方向性としてMICEがあるという。
MICEはミーティング(企業などの会議)、
インセンティブ(企業などが行う報奨・研修旅行)、コンベンション(国際会議や全国規模の大会、学会)、エキシビジョン(展示会、見本市、イベント)のことで、大会等への参加者が宿泊し、買い物をすることで地域にお金が落ちることが期待されている。
杉山参事は「(MICE誘致以外に)経済波及効果をどう生かすかも大事になってくる。MICE参加者が普通の旅行と違うのは現役の社会人であること」だと指摘。
施設利用の営業に回ると、「何か(同施設を利用することのメリットは)あるのか」と聞かれ、海や富士山などがある、と答えると、けげんな顔をされることから、「(観光客ではないので)そういうことよりもコンベンション開催者にとっての(開催目的に合った)メリットが必要だと感じている」とも話した。
この後、懇談会に移ると、「プラサ・ヴェルデが出来ることにより沼津駅前の発展と市全体の活性化にどう結び付くのか」という質問があった。
これに対し、市川会頭は市民の五五%が南北の自由通路がないことを疑問視していることを指摘する一方、プラサ・ヴェルデで営業する民間事業者によるホテル百五十室だけでは大型コンベンション参加者には足りないため、市内の宿泊施設や市外にも及ぶ広域施設が潤うだろうとの見方を
示した。
また、施設内の土産品などの販売所では、地元の商店にカタログを持って商品を申請してもらうことで販売できるようになるだろうとの見通しも示した。
続いて、市川会頭が「西武百貨店の撤退後について何かあるかと委員側に問いかけると、「商工会議所が入るというのもアイデアかなと思う。(商業者の)先頂をきって西武百貨店に入れば(消費者らの)人の流れを作ることになるのでは」という提案があった。
この提案者は「南北がこれだけアクセスが悪い状態で(鉄道高架完成までの)十年、二十年待たなければならないのか、ということにもなる。とにかくJR東海との協議を迅速にして、(南北自由通路を)コンベンションの完成に間に合わせるようにしてもらいたい」と求めた。
これについて市川会頭も「非常にいい意見をいただいた」として、中心市街地活性化に向けた自論を展開した。
《沼朝平成24年9月5日(水)号》
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