2018年7月4日水曜日

野球部前監督解雇労働審判 沼津学園側が答弁書




野球部前監督解雇労働審判
 沼津学園側が答弁書
 飛龍高(沼津市)の元教員で野球部の前監督(43)、前コーチ(34)が懲戒解雇されたのは不当だとして、同校を運営する学校法人沼津学園(杉山盛雄理事長)を相手取り、処分の無効確認などを求めて申し立てた労働審判の第1回審理が3日、静岡地裁であった。
 審理は非公開で行われた。学園側代理人によると、前監督や前コーチから暴行を受けたとする卒業生、在校生計約10人分の陳述書や、前監督の使途不明金に関する元外部コーチの証言を基にした答弁書を提出して解雇の正当性を主張した。
 その上で「次回の期日までに再度コンプライアンス委員会を開き、父母に意向を確認して今後の対応を決める」と審判官に伝えたという。
 前監督、前コーチの代理人は、学園側の答弁書などに反論する証拠などを提出して解雇の無効を改めて求めた。
 申立書によると、前監督は2017930日、秋季県大会の試合で審判に抗議し、試合を中断させたとして監督を解任され、さらに遠征費の横領や選手への暴行など7点を理由に18327日付で懲戒解雇された。前コーチは選手への暴行と無免許授業に関する資料を外部に持ち出そうとしたことを理由に同日付で懲戒解雇された。
【静新平成3074()三面記事】

国際観光破産手続き 別会社手配、説明会




修学旅行契約で学校混乱
国際観光破産手続き 別会社手配、説明会
 修学旅行などを多く手掛ける「国際観光」(静岡市葵区、西子好之社長)が事業をやめ、自己破産申請の準備に入ったことを受け、県内の学校現場では3日、急きょ別の旅行会社を探したり、保護者説明会を開いたりするなど混乱が広がった。一部の市教委は同社の利用実態を把握するためアンケートを実施した。関係者によると、同社と修学旅行の契約をしている県内の学校は150200校程度に上るとみられ、影響が拡大する可能性もある。
 同社と契約し56日に東京都内への修学旅行を計画していた裾野市立南小は3日夜、緊急の保護者説明会を開き、別の旅行会社を手配したと説明した。同校関係者は「一時は中止や延期も考えた。子供たちには心配を掛けてしまった」と話した。
 静岡市教委は同社を利用して修学旅行を計画している学校を調査した。その結果、小学校86校のうち35校、中学校43校のうち1校で契約していることが分かった。代金の支払いは行われていないという。浜松市教委も同様の調査を行い、3校の契約が判明。今後別の旅行代理店に契約を引き継ぐ方針という。
 一方、国際観光と取引していた静岡市のバス会社幹部は「56月に貸し切りバスを運行した修学旅行の代金を支払ってもらっていない。未収金の全額回収は厳しいだろう。直接の連絡はなく、戸惑いがある」と話した。
 民間の信用調査会社「帝国データバンク」によると、国際観光の最近の年商は10億~20億円で推移していた。役員は元校長ら教職員出身者。創業時は小中学校の修学旅行をほぼ独占して手掛けていたが、近年は少子化や大手旅行代理店の入札参加などが重なり、顧客確保と資金繰りに苦しんでいた。
【静新平成3074()社会面】

2018年6月29日金曜日

高尾山古墳を守る会に和島誠一賞






高尾山古墳を守る会に和島誠一賞
遺跡保存に顕著な役割を評価
 高尾山古墳の保存要望団体「高尾山古墳を守る会」が、遺跡保存に顕著な役割を果たした個人や団体を顕彰する和島誠一賞を受賞した。二十四日、兵庫県西宮市で授賞式が開かれ、同会副会長の瀬川裕市郎さんと江藤幹夫さんが出席した。


 この賞は、我が国における文化財保存の先駆的存在である考古学者で岡山大学教授だった和島誠一(一九〇九~一九七二)を記念し、文化財保存全国協議会によって創設された。同協議会は、全国的な市民団体で、小笠原好彦さん(滋賀大学名誉教授)と橋本博文さん(新潟大学教授)が代表委員を務める。
 授賞は二〇〇〇年から毎年行われ、第1回の個人の部は、著名な古代史研究者の直木孝次郎さん(大阪市立大学名誉教授)が受賞。このほかにも、個人の部では作家の永井路子さんや、中世史研究者の峰岸純夫さん(東京都立大学名誉教授)も受賞している。
 団体の部では、国史跡八王子城とオオタカを守る会、靹の浦の世界遺産登録を実現する生活・歴史・景観保全訴訟団などが受賞している。
 今回の受賞に際し、高尾山古墳を守る会の杉山治孝会長は「大変に由緒ある賞なので、私達としては光栄に思っている。と同時に、責任の重さも感じる。なんとしても高尾山古墳を現状のまま後世に残し、沼津のシンボルとして市民に愛されるものとしたい。そのために、これからも頑張っていきたい」と話している。
 ◇
 同会の起源は、二〇一五年六月十二日。古墳のある金岡地区に暮らす杉山さんが有志を地区センターに集め、保存要望運動の開始を提案した。
 当時の市は、都市計画道路沼津南一色線建設のために高尾山古墳を取り壊す方針を表明しており、六月議会での取り壊し予算案可決を見込んでいた。このため、保存運動の当面の戦略として取り壊し予算案の可決阻止を目指すこととなり、杉山さんらは市議会に陳情書を提出する方針を決めた。
 六月十六日、杉山さんら金岡地区の有志による「高尾山古墳を守る市民の会」、瀬川さんを中心に学芸員などの考古学関係者で構成される「高尾山古墳を考える会」、インターネット上で署名活動を行う「高尾山古墳の保存を望む会(吉田由美子代表との三団体の連名による陳情書が市議会の浅原和美議長(当時)に提出された。
 同月三十日、市議会本会議で予算案の採決が行われ、二一対六の賛成多数で可決された。しかし、本会議の終了後、栗原裕康市長(当時)は記者団に対し、予算執行の一時停止と有識者協議会の開催を表明した。
 これを受けて同年九月以降に三回開かれた協議会では、古墳保存と道路建設の両立を原則とすることが打ち出された。この間、三団体は署名運動を展開したり、有識者による講演会を開いたりなどの活動を実施している。
 その後、一六年九月に陳情三団体が統合して現在の「高尾山古墳を守る会」が発足。その翌月に登場した大沼明穂市長(当時)による新市政でも両立路線は継承され、一七年十二月二十一日には、トンネルと橋梁を建設して古墳と道路を立体交差させる最終的な両立整備案が発表されている。
【沼朝平成30629()号】

2018年6月28日木曜日

細野氏説明を疑問視, 専門家




選挙中5000万円「個人の借入金」
 細野氏説明を疑問視, 専門家
 細野豪志元環境相(衆院静岡5)が昨年10月の衆院選期間中、証券会社から5千万円を借り入れた問題で、細野氏の事務所は、選挙のためではなく、政治資金が急に必要になる場合を考えて借りたと説明している。しかし、当初は個人の借り入れを届ける資産報告書に記載せず、今年4月に訂正しただけで済ませた対応を、専門家は「選挙中なのに個人の借入金と言えるかはグレーだ」と疑問視している。
 証券会社関係者によると、5千万円を借り入れたのは昨年1019日で、投開票日の3日前。公選法は、選挙資金であれば、借入金でも選挙運動費用収支報告書に記載し、選挙管理委員会に提出するよう規定している。
 しかし、細野氏は今年1月末に提出した資産報告書で、借入金を「なし」と記載。返済したとする49目の直前の同4日に、記載肉容を」「5千万円」に訂正した。当時、事務所は「事務的なミス」と説明していた。
 今回のケースと似ているのが、猪瀬直樹元東京都知事の公選法違反事件だ。猪瀬氏は、201212月の都知事選の直前に医療法人グループから選挙資金5千万円を受け取ったのに、収支報告書に記入しなかつた。当初は「選挙資金ではなく個人的な借金」と主張したが、公選法違反(収支報告書の虚偽記入)の罪で略式起訴され、罰金50万円の略式命令を受けた。
 政治資金に詳しい神戸学院大の上脇博之教授は「細野氏は選挙運動期間中に大金を借り、報告もしていない。個人的な借入金どの弁明は不目然で、裏金の可能性がある。説明責任を果たすべきだ」と指摘している。
 「適正に処理」細野氏
 細野豪志元環境相(衆院静岡5)27日、201710月の衆院選期間中に東京都内の証券会社から5千万円を借りたことについて、静岡新聞社の取材に対し「選挙後にさまざまな対応が必要になると考えて工面した。お金は必要が生じなかったので使わずに返した」と答え、適正に処理したとの認識を示した。
 返金する直前の44日に資産報告書を訂正し、借入金を「該当なし」から5千万円に改めた理由については「借りたのが選挙後と思っていたので資産報告書に記載していなかつた。4月に気づいて訂正した」と話した。
 公職選挙法では、選挙資金であれば選挙運動費用収支報告書に記載し、選挙管理委員会に提出する義務がある。細野氏の事務所は静岡新聞社の質問に文書で「個人として借り入れた」と回答した上で、「具体的な政治資金需要が生じず、使うことなく利息も含めて返済した」とし、借入金が選挙資金であることを否定した。借り入れや返済の時期は「公開の対象外」として明らかにしなかった。
 細野氏に5千万円を提供した証券会社の関係者によると、投開票日3日前の171019日に5千万円を利子付き短期貸し付けで提供し、1849日に細野氏側から利子を含め全額返金されたという。
【静新平成30628()朝刊】
※証券会社→JC証券株式会社 

2018年6月20日水曜日

伊東汚職事件


検証『癒着の構図』
「伊東汚職事件」 上
 土地取得で過去にも
トップ交渉 常態化
 伊東市の伊東マンダリン岡本ホテル跡地(同市桜木町)売買を巡り、便宜を図る見返りに土地所有者の「東和開発」社長から現金約1千万円を受け取ったとして、前市長の佃弘巳容疑者(71)が収賄容疑で警視庁と県警に逮捕された。贈賄容疑で逮捕された社長や収賄ほう助容疑で逮捕された仲介役との闇でなぜ癒着が生まれたのか。市や市議会は当時の市長の独断と暴走を防げなかったのか。風光明媚(めいび)な温泉地を舞台にした汚職事件の構図を探った。
 「東和開発が(同跡地を)21千万円で市に売ってもいいと言っている。買えるか検討してくれ」。20154月ごろ、佃容疑者は当時の市幹部に具体的な価格を示して購入を指示した。この時、既に同社との売却交渉を終えていたとみられる。市政のトップによる直接交渉は「不自然」にも映る。だが、佃市政の12年はそれが「通常になっていた」(市関係者)という。
 市の土地取得に関し、職員が難航した交渉を佃容疑者がまとめることは過去にもあった。代表的なのは公園になっている旧市役所跡地の一角。価格で折り合わなかった地権者を説得して取得した。だが、交渉経緯は当時の市職員にも知らされていない。「政治は裏で動く」。佃容疑者は堂々と公言していた。
 佃容疑者が主導した唐突なホテル跡地取得への疑問も、立地条件の良さなどで隠された。結果的に市職員が東和開発と接触したのは、契約手続きの時だけ。仲介役の存在は誰も知らされていなかった。佃容疑者の「トップダウン方式」は市財政の再建や行政改革につながった反面、さまざまな弊害があったとの指摘も多い。
 市はホテル跡地を補正予算を組んで購入した。市議会のチェック体制に間題なかつたのか。ある市議は「難しさはあるが、委員会協議会で事前報告があれば調査できたかもしれない」と私見を述べた。同協議会への報告が必要なのは5千平万㍍以上の土地取得。4千平方㍍の同跡地は報告がなかったという。
 19日には6会派の代表と正副議長が協議し、特別委員会の設置も視野に原因究明と再発防止策の検討に入った。市も佃容疑者の在任期間中の土地取引などを検証する方針。市幹部は「市と市議会、両輪で再発防止に取り組んでいきたい」と強調した。
【静新平成30620()朝刊】


 伊東汚職事件 下
 「旧知」の結び付きか
 人脈重んじた前市長
 伊東市のホテル跡地売買を巡る汚職事件で、収賄の疑いで逮捕された前市長の佃弘巳容疑者(71)。地元関係者によると、自らに連なる人脈や地縁を重んじ、面倒見の良い親分肌のリーダーとして慕われる一方、意に沿わない相手は排除する独善的な側面もあったという。贈賄容疑で逮捕された社長や、収賄ほう助容疑で逮捕された仲介役の会社員とは市内の同じ地区出身。関係者は「旧知の間柄の人たちが、佃前市長の一声で結び付いたのでは」と指摘する。
 佃容疑者が3選を目指した2013年の市長選。市内のある業者は対抗馬を応援したが、佃容疑者が当選した。その後、市の一部の公共事業に関われないようにされたという。この業者の関係者は「公私混同の市政運営。やり方があからさまだった」と憤る。
 「地元では誰も逆らえない存在だった。周囲の意見を受け入れず、好き嫌いが極端に分かれるタイプのトップだった」。同市の不動産業の男性は、佃容疑者についてこう語る。元市議は「権力が大きくなりすぎて、黒いうわさの多い政治家になってしまった。適切な助言をできるブレーンが必要だった」と指摘する。
 一方、佃容疑者は自らの広い人脈と強力なリーダーシップで市政改革に腕を振るった。市長在任の12年間、職員の給与削減などで市の財政を再建し、赤字続きの市競輪事業を黒字化させた。大物国会議員との親密さも公言していた。ある市幹部は「人口7万人規模の首長にはできない仕事をした」と評価する。
 だが、足元に「落とし穴」があった。捜査関係者によると、同郷の建設会社「東和開発」社長森圭司郎容疑者(47)=贈賄容疑で逮捕=から2014年ごろ、「ホテル跡地を競売で入手した」と伝えられたのが事件の発端とみられる。市が土地を購入する際、便宜を図る見返りに、同郷で仲介役を務めた会社員稲葉寛容疑者(50)=収賄ほう助容疑で逮捕=を通じて現金約1千万円を受け取ったとされる。
 3容疑者は親族を含め、古くから交流があったとみられる。逮捕前、佃容疑者は取材に「(稲葉容疑者に)貸していた金が戻ってきただけ。収賄には当たらない」と主張した。ただ、同じころ、周囲の知人に対し、稲葉容疑者について「面倒を見てやったのに、裏切られた」とこぼしていたという。

【静新平成30621()朝刊】