沼津南一色線のデザイン
橋梁・トンネルで全国初の設計競技に
都市計画道路沼津南一色線の道路設計で、市は土木設計競技方式を採用。7日、設計競技(募集要項)説明会を開いて、デザイン募集の手続きに入った。同路線は国道1号や幹線道路の慢性的な渋滞を緩和するため、1996年に事業着手したが、建設予定地内で発見された高尾山古墳が東日本で最古級、最大級の前方後方墳で、考古学上、極めて重要なものであることが判明した。
このため、市では2017年12月、道路事業と古墳保存の両立と利活用、周辺環境との調和を図る方針を決定。具体化に向けて市では、幅広くアイデアを募り、品質の高い道路設計にしたい、と通常の入札ではなく、設計競技方式を採用することを決めた。
市によれば、土木設計竸技は、土木学会建設マネジメント委員会が、インフラ施設や公共空間の整備において、場所の持つ魅力を最大限に引き出す手法として推奨しているもので、同委員会では昨年10月に「土木設計競技ガイドライン・同解説十資料集」を発刊。
今回の土木設計競技は、同学会からガイドラインに準拠したものだと認められていて、橋梁・トンネルを対象としたものでは全国で初の実施だという。
この競技で市が求めている提案は、道路整備に関して、橋梁やトンネル、道路附属物等の道路デザイン、古墳に関して、①古墳の保存・利活用の考え方及び整備方法、②隣接市有地の保存・利活用の考え方及び整備方法、③市道1672号線(東西道路)及び市道1668号線(南北道路)の交通機能や空間機能の考え方。
デザイン募集の手続きは、この後、応募予定登録書を今月21日期限で受け付けたのに続いて、一次提案を10月7日期限で受け付け。これに対する評価委員会を10月20日に開催。
設計趣旨や基本的な考え方、道路デザイン、古墳・隣接市有地に関しての考え方について書類選考を非公開で行い、5作品以内を選定。通過した作品を市のホームページで公表する。
通過作品については、二次提案を来年1月31日期限で受け付け、2月8日、評価委員会を公開プレゼンテーションで行う。
二次評価では、一次提案を具体化したもの、考え方や図面、またはイメージパースを示してもらい、デザイン、道路構造物、古墳・隣接市有地、実現可能性に関して審査する。
このうち、実現可能性では概算工事費として上限40億円が設定されている。
最優秀提案者の決定と発表は3月上旬。最優秀提案に100万円、次点に50万円、入選(3作品以内)に30万円の賞金を授与し、最優秀提案者を契約交渉の相手方とする。
また、この相手方とは施工時のデザイン監理業務発注の余地もあり、委託料総額は1億3800万円。
【沼朝令和1年8月8日(木)号】
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