沼津市元主任と元社長有罪 静岡地裁判決
官製談合入札妨害 「規範意識乏しい」
沼津市発注工事の入札予定価格を漏らしたとして、宮製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の罪に間われた元市工事検査課主任筑木(ちくぎ)和正被告(62)=伊豆の国市北江間、懲戒免職=と、公契約関係競売入札妨害の罪に問われた「三星建設工業」元社長植松真一被告(47)=沼津市白銀町=の判決公判で、静岡地裁は19日、2人にそれぞれ懲役1年6月、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)を言い渡した。
判決理由で伊東顕裁判長は、接待などに触れ「業者と公務員とが癒着ともいえる関係となっていた」と指摘。入札制度や行政への信頼を裏切る悪質な犯行として「規範意識がはなはだ乏しかった」と述べた。一方、反省していることなどを執行猶予の理由に挙げた。
判決によると、筑木被告と植松被告は元沼津市職員の植松秀年被告(69)=公契約関係競売入札妨害罪で公判中=と共謀し、駐輪場改修工事の一般競争入札に関し2019年1月、筑木被告が直接工事費を植松秀年被告に教え、秀年被告は植松真一被告に伝え、同3月の入札で三星建設工業に最低制限価格に近い価格で落札させた。
また、植松真一被告は道路改良工事の一般竸争入札に関して18年10月、市職員(懲戒免職)から設計額の教示を受け、同11月の入札で同社に落札させた。
市長「再生のスタートに」
官製談合防止法違反などの罪に問われた沼津市の元工事検査課主任が19日、有罪判決を受けたことについて、頼重秀一市長は「(6日に判決を受けた元工事検査課課長補佐を含め)元職員2人が有罪となった。事件が終わったということではなく、ここからが沼津市再生のスタートと捉え、再発防止と信頼回復に全力で取り組む」とコメントした。
19日の市議会2月定例会最終本会議では、事件に絡み、頼重市長一の給与を4月から3カ月間、10%減額する条例制定案を原案通り可決した。
市は現在、外部委員を入れた不祥事再発防止対策本部を設置し、情報漏えいを防ぐ取り組みを進める。既に、コンプライアンスや契約制度に関する研修▽全職員を対象にした不当要求についてのアンケート▽新年展の組織改正ーを実施した。行動計画の策定や予定価格の公表方法、業者に対する罰則強化なども検討し、年度内に対策案を取りまとめるとしている。
市議会も特別委員会を設置。独自に原因究明と再発防止策の検討を進めている。
【静新令和2年(2020年)3月20日(金曜日)】
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