沼津に江原素六翁像
来年設置へ彫刻家・堤さん制作原型完成
市の礎を築いた偉人
沼津市の礎を築いた江原素六翁が2022年に生誕180年と没後100年を迎えるのを機に、地元顕彰会などがJR沼津駅北口に銅像を設置する計画を進めている。制作を手掛ける彫刻家堤直美さんの粘土原型が完成し8日、長泉町の堤さんのアトリエで見学会が開かれ、関係者が出来栄えを確認した。
素六翁は明治期に国有化された愛鷹山の払い下げに貢献したほか、牧畜や茶の輸出などの産業を興して地元の近代化に尽力した偉人。沼津西高と東京の有名私立校である麻布中・高校の創設者としても知られる。顕彰会は素六翁の功績を後世に伝えようと、来年5月15日に実施する記念行事に合わせ、銅像設置を企画。JR静岡駅前の徳川家康公像やエコパスタジアム(袋井市)のラグビーワールドカップ記念モニユメントを制作した堤さんに依頼していた。
完成した粘土原型は高さ約2㍍で、フロックコート姿の素六翁は威厳のある趣。堤さんは制作に臨んで沼津市明治史料館が所蔵するデスマスクや生前の写真を調査し、文献も読み込んだという。
見学会には素六翁の曽孫にあたる江原素有さん(69)と素明さん(65)の兄弟や、麻布中・高校の平秀明校長らも駆け付け、見事な出来栄えに感激した様子。堤さんが「素六翁の人格がにじみ出るような作品を心がけた。良い顔に仕上がったと思う」と話すと、素有さんと素明さんも「落ち着いた品格を感じる。子孫としてもうれしい」と喜んだ。
(東部総局・薮崎拓也)
【静新令和3年4月9日(金)朝刊「ワイドしずおか」】
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