2022年11月15日火曜日

ビールの沼津へ 5カ所目醸造所  「マスターズブリューイング」きょう併設飲食店開業


 

ビールの沼津へ 5カ所目醸造所

 「マスターズブリューイング」きょう併設飲食店開業



 JR沼津駅前に沼津市5カ所目のクラフトビール醸造所「マスターズブリユーイング」が誕生した。15日に併設の飲食店を開業する。人口20万人規模の地方都市に醸造所が五つ共存するのは、国内では異例。市内の同業他社や関係者は"クラフトビールシティー沼津"の知名度向上に期待を寄せる。

 街のブランド化期待 「マスターズー」は13日、定番ビール3種の試飲会を開いた。代表で醸造責任者の益谷尚豪さん(56)は沼津市内で2007年から飲食店「さえ丸おじさんの店」を営業する。新醸造所には容量500㍑の発酵タンク4基を備え、缶飲料の通販にもカを注ぐという。

 益谷さんは20代の頃から国内外のビールを愛飲し、同市発祥の「ベアード・ブルーイング」(現・伊豆市)のビールに触発されて醸造を志した。苦みや香りが特徴のIPAを中心に、個性が際立つビール造りを指向する。沼津市内にはすでに他社の四つの醸造所と四つの直営飲食施設があるが、相乗効果を確信する。「東京・月島のもんじゃ焼きのように、ビールを沼津市の代名詞的存在にしたい」と意気込む。

市内の同業他社も歓迎する。今春に醸造を始めた「ONEDROP(ワン・ドロップ)」の元木勝一社長(54)は「沼津に来れば多種多様なクラフトビールが飲めるという認識が全国に広がる」と好反応。「それぞれが特色がある製品で競い合い"ビールの街"をアピールしたい」と前向きに捉える。

 酒販店の運営やクラフト ビールのイベント企画などを手がける「ZOO(静岡市葵区)の伏見陽介代表(28)は、沼津に醸造所が集積する理由について「ベアード(醸造開始2001)が下地を整え、リパブリュー(17)などとともに成功モデルを作った。ビールの飲み比べを目的にした旅行客が増えている」と分析する。県東部では年内に富士、三島の両市でも新醸造所がスタート予定。伏見代表はビールが文化として定着するためのポイントとして「飲食だけでなく工程の説明など体験を伴う仕掛けを作りたい」と提案した。

(文化生活部・橋爪充)

【静新令和41115日(火)朝刊】

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