潮かつお新年の気配
西伊豆伝統食生産最盛期に
西伊豆町田子地区の冬の伝統保存食「潮かつお」の生産が最盛期を迎えている。「正月魚(しょうがつよ)」とも呼ばれる新年の縁起物。1882(明治15)年創業の老舗「カネサ鰹節商店」では、カツオを竹ざおにつるす作業が行われ、冬支度が進んでいる。
潮かつおの起源は奈良時代と言われる。豊漁豊作などを願い、わらで飾り付けて玄関や神棚につるした後、味わう。カツオを10日ほど塩潰けにし、伊豆西海岸特有の西風にさらして約3週間乾燥させる。昔ながらの製法で、竹ざおに連なる様子が冬の風物詩になっている。かつては全国で生産されていたが、現在は同地区の3社が製造を続ける。
同店は12月上旬に約200本を出荷する見込み。カツオの価格高騰を受けて昨年の半数程度だが、今年は例年よりも大ぶりという。芹沢安久副代表(54)は「作業を行うと正月が近づいてくるのを感じる。サイズが大きく見栄えも良い品を届けられると思う」と話した。
【静新令和4年11月13日(日)朝刊】
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