学校統合に生徒の意見
二中でワークショップ型授業
市教委は、二中校区の学校規模と配置の適正化にかかわり昨年度から「第二中学校区学校の未来を考える会」(以下、考える会)を開催。昨年度中に3回、今年度は6月に第4回を開き、きょう30日に5回目が午後7時から第二地区センターで開かれる。
ここまで保護者や自治会、学校関係者らにより意見交換が行われているが、子ども達の意見を聞く機会として、ワークショップ型授業が12日、二中(野田陽久校長)の音楽室で行われ、奥村篤教育長らが参観した。
生徒達が、自分達にとって望ましい教育環境とは何かを考え、人口減少を踏まえ、将来の学校のあり方について意見交換しながら自らの考えを整理していくというもので、1年1組の言語科読解の時間に栗原克弥教頭が進行役となり、29人が、6月の考える会で出た学校統合案について、「学校統合することで様々な立場の人に与える影響」をテーマに意見を出し合った。
意見発表は4、5人ずつの6グループに分かれ、ジャズが流れるリラックスした雰囲気の中で行われ、各自の意見を模造紙に記入。10分ごとにリーダー以外のメンバーを入れ替えて各グループの情報を共有しながら3回にわたり意見交換と、そこまでに出た結果について話し合った。
話し合いに入る前に栗原教頭は、統合各案と統合された際の校区の範囲などをプロジェクターに映して説朋。3回の意見交換の後、最後のテーブルでまとめが行われた。
中学校教員で現在は異動により静岡大学大学院(教職大学院)で学ぶ能戸健太さんは「(適正化案は)大人の話になっているが、当事者の子どもの意見を聴きたい。柔軟な意見を出してほしい」と生徒達のテーブルを回って意見を聴いた。
能戸さんは同大学院で、考える会の委員長を務める武井敦史教授のゼミで学んでいる。
各テーブルでは活発な意見が出たが、圧倒的に多かったのは第二校区から他の校区に通うことになった時の距離の問題で、「新入生が道に迷うのではないか」「長い距離でスクールガードの配置が心配」「帰りが遅くなるなど登下校で保護者が心配する」といったもので、これに対して女子生徒から「歩くから体力がつく」という前向きな発言があった。
また、「学校の統合により各校独自の文化がなくなる」「遠くに通学することで引っ越す子どもが出て、さらに子どもが減る」などデメリットを挙げる一方で、「友達が増える」「運動会の種目が増える」「部員数が増えて部活が増える」「(人数が増えることで)いじめが減る」とメリットも挙げられた。
各テーブルで熱心に意見を出していた男子生徒は「いろいろな意見があると思った。遠くなると帰宅に時間がかかり、部活の時間が短くなるのが心配」と、統合先が他の校区になった時の距離による影響を心配した。
担任の稲葉花菜子教諭は「生徒にとって一番良いことであればいい。統合に対して『人間関係が広がる』という子もいれば、『クラス替えが怖い』と思う子もいる。何が一番良いのか生徒の声を聴いて、生徒の成長につながればいい」と語った。
第一校区保護者からは要望
第一校区含む統合案、現状では了承できない
このワークショップ型授業では統合案6案が示されたが、その中で統合の相手先の一つとされた第一校区(一小、一中)の保護者から22日、奥村教育長宛てに要望書が提出された。
要望書は、2021年度に市教委から示された第一校区と第二校区の統合案が廃止になったことに触れ、「令和3年10月の『第一・第二中学校区における学校規模・学校配置の適正化の方針廃止』により第一中学校区は当議論から離れた」とした上で、「第4回第二中学校区学校の未来を考える会」に市教委から「第一中学校区に関わる統合の案(注・市教委から示されたのは4案。ワークシヨップでは、さらに2案が示された)が含まれていた」ことを指摘。
「この件について第一小学校・第一中学校の保護者代表による協議の上、保護者へのアンケートを実施した結果、これら第一中学校区に関わる案については、このままの状態では容易に了承することはできないという結論に至った」としている。
理由として、ここまでの議論に第一校区が参加していないこと、第一校区の意向が、これまでのところ確認されていな}いこと、これまでの議論について第一校区の認識が浅いことを挙げている。
その一方で、千本小での複式学級の採用、第一校区にとっても近い将来の課題となることに懸念を示しつつ、まず第二校区での統統合案をベースに協議し、検討の上で実施すること、さらに検討が必要になった場合、第一校区を含めた統廃合協議という2段階の進め方を求め、「第一中学校区に関わる議論には当初より第一中学校区を参加させていただきたい」と要墓している。
【沼朝令和6年7月30日号】
0 件のコメント:
コメントを投稿