投票率「最低」の沼津市議選
議会の職責"見える化"を
24日に投開票された沼津市議選の投票率は45・49%で過去最低になった、首長選や議員選挙が行われた14市町の中でも最低で、統一地方選前半戦に実施された県議
選でのワースト2位からの汚名返上どころかさらに悪い結果になった。定数削減により議員1人あたりが負託を受ける市民の数は6千人から7300人に膨らんだ。個々が向き合うべき民意の数が、少なくとも2割増えたとも言える。議会基本条例などで行政監視や政策立案など議会が果たすべき機能を明確にし、仕事ぶりが市民に伝わる仕組みを作るべきだ。
「定数32」の想定で候補者の多くが事務所開きを終えた3月中旬、議員定数が28に変更された。当確ラインが上がり、落選者も増える。激戦になり投票率も上がるだろうーと予想した。しかし、ふたを開けてみれば投票率は県内で唯一50%を割り込み、東京都の区長選や区議選並みだった。西浦や戸田など南部が高く、人口が集中する中心部以北の新興住宅地を中心に低調だった。
「自粛ムードの影響」ということだけなのだろうか。現職市議の有志は今回、特定の時間帯で選挙カーでの放送を控えるなど活動を一部自粛した。名前を叫び続けるような手法が有権者の判断材料として適切とは思えず、取り組みは歓迎できる。むしろ気になるのは、その程度の自粛で投票率が過去最低になるほどの日ごろの関心の低さだ。
市議会を取材して2年になるが、委員会では、委員の質問や当局の回答を別の委員が遮って明確な結論が得られないまま終了することもあった。傍聴した市民が「まだ議論が途中じゃないか」とこぼす姿もたびたび目にしたし、同感だった。たとえ一部であっても、この状況が続けば議会不信は加速するばかりだ。
県内最大級の津波が予想される地域だけに防災対策の再検証も求められるし、県の有識者会議が夏ごろ結論を出す鉄道高架をはじめ、キラメッセぬまづの後継施設が沼津駅北にオープンするなど、駅周辺の整備事業も今期、重大な局面を迎える。
当選した28人には、市民の関心を高める論戦と、輪が広がるような市民参画型の政治活動に期待している。結果として、次の市議選で一人でも多くの市民の審判を受けることを願う。(東部総局・大須賀伸江)
(静新平成23年4月30日「湧水」)
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