「大津波爪痕生々しく」
被災地を空撮で比較
全壊を免れた高さ10㍍の防潮堤の陸側で粉々に砕けた岩手県宮古市田老地区の家々。宮城県南三陸町志津川も高台の小中学校といくつかの建物を残し完全に壊滅していた。
仙台市で航空写真を撮影、販売する事務所を営む芳村忠男さん(64)は35年以上、東北地方を空撮してきた。震災前に芳村さんが撮った写真と同じ角度から岩手、宮城、福島3県の被災地17カ所を撮影して比較すると、太平洋沿岸の街々が大津波で破壊され、一変した様子が見て取れた。
岩手県陸前高田市は景勝地の松林「高田松原」や街並みが跡形もなく消え、海岸線の地形すら変貌。集落の南北から津波が流れ込んだ福島県相馬市の尾浜地区では半数近い家が流されていた。
震災後、調査のため被災地上空を飛んだ芳村さんは「小さな集落を含め、美しい三陸沿岸全部がやられていた。見たものが今も理解できない」と衝撃を受けていた。
【3月28日撮影の岩手県宮古市田老地区(上・共同通信社ヘリから)と、2010年3月撮影の同地区(芳村忠男さん撮影)】
(静新平成23年4月1日朝刊)
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