素六の生涯かるたに
沼津市制100年レトロな外箱、時代映す
『房楊枝売り/昌平黌で学問/牧畜業を振興:(う)うることで生計立てた房楊枝(ふさようじ)・(く)苦学の道寺子屋経由の昌平黌・(ね)念願の愛鷹山の払下げ・(せ)西洋に負けじと牧畜牛乳バター』
沼津市制100周年を記念し、郷土.沼津の偉人、江原素六(1842~1992年)のかるた作りを沼津観光協会が進めている。取り札と絵札のデザインは出来上がり、19日、外箱のデザインの選考会が開かれた。
素六は江戸の下級武士の家に生まれ、当時の最高学府、昌平費で学問を極めた。明治維新後の沼津で、愛鷹山麓(さんろく)の官有地払い下げに尽力し、茶業や牧畜業の振興を図った。
かるた裏面の解説を読めば、素六の生涯が分かる仕掛け。解説は沼津郷土史研究談話会(沼津史談会)会員が書き、明治史料館の学芸員が監修した。
一方の絵札は、素六が創設した駿東高等女学校の後身である沼津西高校芸術科美術専攻の42人が分担して描いた。外箱のデザインも美術専攻の6人に1点ずつ描いてもらい、選考会での投票で宗方愛海(あいみ)さんの作品が選ばれた。富士山を背景にした愛鷹山、素六の銅像、牛や羊が描かれたデザイ一ン。江原素六先生顕彰会の土屋新一会長(75)は「選ばれた作品は明へ治時代をほうふつさせるレトロさが良かった。昨年は生誕180年と没後100年を記念して素六の銅像をJR沼津駅前に建てたが、かるたを機に素六が一層周知されればありがたい」と話した。
かるたは3000個作り、1個2000円で近く販売予定。【石川宏】
【毎日新聞2023年(令和5年)1月26日(木)】
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