2024年1月21日日曜日

沼津ひき逃げ85歳男逮捕  道交法違反容疑など 親子2人死亡  【静新令和6年1月21日(日)朝刊三面】


 

沼津ひき逃げ85歳男逮捕

 道交法違反容疑など 親子2人死亡

 沼津市松長の県道でひき逃げされたとみられる親子2人が死亡した事件で、沼津署は20日、自動車運転処罰法違反(過失致死)と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで同市大塚、魚販売業五味孝行容疑者(85)を逮捕した。同署は同日午前、容疑者宅を家宅捜索した。



 逮捕容疑は15日午前5時半ごろ、同市松長の県道でトラックを運転中、道路にいた現場近くに住む無職今井真奈美さん(59)と息子の会社員悠介さん(33)に衝突してけがを負わせた上、そのまま逃走した疑い。真奈美さんは頭を、悠介さんは胸などを強く打ち、搬送先の病院で死亡が確認された。同署は五昧容疑者の認否を明らかにしていない。

 同署によると、トラックは15トンで白色。積載部の助手席側の側面が損傷していた。付近の検問や聞き込み、現場の通過車両のドライプレコーダーと防犯カメラの映像で特定に至った。トラックが衝突した経緯を調べている。

 15日は燃えるごみの回収日で、2人は自治会の班の当番として県道脇の回収場所付近にいたとみられる。2人は同日午前540分ごろ、回収場所になっていた県道脇の歩道と民家敷地内の間で重なるように倒れている状態で見つかった。現場にはプレーキ痕や車の大きな部品は残っていなかった。

 側面損傷の車 事故当日目撃 沼津港

 沼津市松長の県道でひき逃げされたとみられる親子2人が死亡した事件で、事故が発生した15日早朝、沼津署に20日逮捕された五味孝行容疑者(85)が運転していたトラックについて、助手席側の側面が損傷しているのを同市の沼津港で複数の関係者が目撃していたことが分かった。港で働く男性は静岡新聞社の取材に「(五味容疑者は15日早朝に)港に来る途中、車が電柱とぶつかったと話していた」と語った。

 同港の水産関係者によると、五味容疑者は沼津港で仕入れた鮮魚を扱う行商で、トラックを運転して県内外で販売していた。普段運転していたトラックは、積載部の背面と両側面が開く仕様。ほぼ毎朝、同市本干本の沼津港に買い付けに通っていたが、事故翌日からは港で姿を見ることはなかったという。

 別の男性は五味容疑者について「港では最年長に近い。昨年末、年内いっぱいの引退を考えていると話していたが、年明けも事故当日までよく見かけた」と話した。

【静新令和6121日(日)朝刊三面】

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