2012年4月15日日曜日

新東名高速道路御殿場JCT~三ヶ日JCT開通


新東名高速道路御殿場JCT~三ヶ日JCT開通
 新富士ICで開通式典

 新東名高速道の開通式典が14日、富士市厚原の新冨士インターチェンジで開かれた。来賓の川勝平太知事は「新東名で内陸フロンティア開発が進む。日本の新しい夜明けが静岡から始まる」と祝辞を述べ、防災対策や渋滞解消に加え、地域活性化への大きな期待を込めた。
 前田武志国土交通相も幹線道路の重要性を強調した上で「災害時には命の道となる。3連動地震の危険がある中、まさしく新東名は東海道ベルト地帯の根幹」と述べた。
 中日本高速の金子剛一会長兼社長は「地元の皆さまの理解と協力のおかげ。新東名開通で東名の渋滞が解消される上、緊急時の代替ルートも確保できる。物流経済の大動脈としての信頼性が高まる」とあいさつした。
 雨模様の中、千人以上が出席した。関係者がテープカットをして開通を祝い、車両130台で走り初めを行った。
(静新平成24年4月15日朝刊)

2012年2月17日金曜日

JR貨物社長会見 「移転、原地区以外ない」

JR貨物社長会見 「移転、原地区以外ない」
 沼津駅高架化で強調
 JR貨物の小林正明社長は16日の定例会見で、JR沼津駅周辺の鉄道高架事業に伴う貨物駅移転問題で、川勝平太知事が日本製紙富士工場鈴川事業所(富士市)周辺を沼津市原地区以外の代替地候補として検討したい意向を示していることについて「県から説明はない。話が来ても平行線に終わる」と述べ、原地区以外への移転可能性はないとの姿勢をあらためて強調した。
 同社は日本製紙側に(同事業所敷地の)売却の意思は見られないとし、その段階での"代替地発言"に「跡地ができるとの前提の話には、正直言って驚いている」(惟村正弘総括執行役員)という。小林社長も「そこが動く可能性があるとは全く認識していない」と実現性を疑問視した。
 一方、移転に関して惟村総括執行役員は「30年近く前からの話」とした上で、「現在地から動きたくないというのが大原則。ただ、地元の鉄道高架化に協力する意味で、全国の物流ネットワークに支障のない原地区に代替駅を用意してもらえるのであれば、やむを得ないと対応してきた」と経緯を説明。難航している地元の合意形成には、「県や市、住民の皆さんの問題。そこは今後も一線を画す立場を取りたい」との見解を示した。
(静新平成24年2月17日朝刊)

2012年2月7日火曜日

防犯灯LED化で波紋:沼津市

防犯灯LED化で波紋
 自治会連合会内に疑問の声
 市内に約一万五千基あるという防犯灯。これらは各単位自治会が市からの補助金を受けて管理している。市自治会連合会は昨年、この防犯灯に消費電力の少ないLED照明を一括導入する計画を高木孝会長の主導で打ち出したが、対応を巡って同連合会内部に波紋が広がっている。
 またエネビック社の名
 太陽光パネルに続いて
 高木会長が提案しているのは、ESCO(エスコ)事業方式によるLED導入。一般的に、この方式では、LED導入に関する作業や手続きの一切を業者が請け負い、器具の購入や改修、維持管理などにかかる経費も請負業者が負担する。
 電気料は自治会が負担するが、LEDの導入によって、それまでの料金より安くなり、節約された分や、これまで負担していた維持管理費から事業請負業者へ契約料を支払う形になる。
 これにより、自治会側は負担なしでLED防犯灯を付けることができ、新たな電気料と契約料の合計がこれまでの支出よりも安ければ、自治会の支出抑制になるというメリットもある。
 良いことづくめの計画のように見えるにもかかわらず、沼津市の自治会連合会を構成する二十八の地区連合自治会のうち、四割近くの連合自治会が計画への反対を表明している、といい、まだ広がりを見せているという話も伝わる。
 自治会関係者によると、反対の声として強いのは、まず「市全体でやるなら、なぜ市役所ではなく自治会連合会が主導するのか」というもの。
 市役所で自治会問題を担当する市地域自治課は、防犯灯は各自治会の所有物であるため、市が直接、管理運営などに携ることはない、という立場を取っているが、これに対して、「消極的ではないか。『エコのまち沼津』という栗原市長のスローガンは何のためにあるのか」と、同課の姿勢を疑問視する自治会関係者もいる。
また、自治会連合会の会合へは、エスコ事業コンサルタント会社と、環境関連器具販売代理店エネビック社の社員が同席し、事業の説明を行っているが、このエ社の存在も関係者の様々な憶測を呼んでいる。
 エ社は、市内公立小中学校に設置された太陽光パネルのメーカーである米国ソリンドラ社(昨年夏に経営破たん)の日本代理店の一つで、前沼津市議の親族である田上誠氏が社長を務めている。
 太陽光パネル事業では設置工事請負業者が、採用が決まっていたソ社製品を安全性の面から他社の製品に変更したいとの申し入れを行ったものの市教委事務局に受け入れてもらえず、結果的に申し入れを撤回する事態が生じたが、高木会長は、ソ社製品の採用を最終決定する市と工事請負業者との話し合いの場に同席。どういう立場での同席だったかの市議の質問に、教委事務局は、かなりの時間を置いてから、業者に依頼されて調整役を務めたことを市議会で明らかにしている。
 こうした経緯から、今回のエスコ事業計画に反対する自治会関係者の中には、エ社と高木会長との関係に疑問をはさむ声もあり、「LED導入は、ぜひとも進めるべきことだと思うが、今の計画はエネビック社ありきで、このような形で進めるのは納得がいかない」という。
 今週には、自治会連合会の臨時会が開かれ、高木会長は各地区連合自治会に対し、連合自治会を構成する単位自治会ごとに計画参加への賛否を確認するよう求めた。
 当初の予定では、業者との契約のために三月中に事業への同意を取りまとめることになっているが、単位自治会ごとの確認となると時間を要するだけに、今後の展開が注目される。
 【解説】 自治会関係者によると、防犯灯へのエスコ事業導入計画は、高木孝会長から自治会連合会に持ち込まれた、といい、市立小中学校への太陽光パネル設置事業導入の経緯と類似している。
▽事業計画の発端=太陽光パネル事業では、事業に使用できる国の補助金制度があることを高木会長が市に持ち込んだことが、市側の話によって明らかになっている。市は、これを受けて太陽光パネル事業の実施を決めている。
 ▽エネビック社とのかかわり"太陽光パネル設置事業を進めるに当たり、市は使用するパネルの機種を検討する選定委員会を開催したが、この委員会の開催期間中に工社設立の発表が、親会社であるバイテック社からされている。このため、当時の市議会では、この選定委員会とエ社設立が連動する関係にあったのではないか、との指摘もされている。
 今回、エスコ事業計画に関する自治会連合会の会合で、事業説明の段階からエ社の社員が防犯灯機材について具体的な説明をしている点を挙げ、「複数の業者や製品の中から条件の良いものを選ぶと思っていたが、実際はエネビック社の社員が来て、特定の製品について説明するだけ。はじめからエネビック社と契約することが決まっているのではないか」と見る関係者もいる。
(沼朝平成24年1月27日号)

防犯灯LED化促進 静岡市の対応

防犯灯LED化促進 静岡市、新年度方針
 静岡市は省エネ社会の実現に向け、2012年度から自治会などが地域に設置している防犯灯のLED(発光ダイオード)化を進める。12年度当初予算案に、切り替え事業に補助するための費用などとして、約5800万円を盛り込む。地域と連携して環境負荷の低減を進め、市民意識向上につなげる狙い。
 LED化で1灯当たり電気使用量を約45%節減でき、電気料金が年間約1400円減らせるという。LEDは蛍光灯に比べ寿命が約5倍長く、メンテナンス費用が軽減できるメリットもある。市はこれまで防犯灯維持費として電気料金相当分を補助し、11年度は約1億4千万円を支出している。
 既存の防犯灯の蛍光灯からLEDへの切り替えに対し、1灯当たり1万円を助成する。新設については対象をLEDを使用する場合に限定し、1灯当たり2万円を助成する。
 12年度は4800灯の設置を目指す。市内の防犯灯のうち、管交換によるLED化が可能なのは2万4~5千灯。市は自治会などと連携して実施計画を策定し、5年程度で全てをLED化したい考え。
(静新平成24年2月7日朝刊)

2012年2月4日土曜日

24年度新規事業等

24年度の新規事業で調査と設計
 市は二十四年度の新規事業で、大震災を教訓に市立西浦保育所の高台移転のための準備を進めるなど、津波対策に意を用いている。
 津波浸水地域で各種対策
 防災重視し耐震化や通信手段整備も
 二十四年度事業に新たに盛り込まれた事業、継続事業の中に新たに加わる事業の主なものは次の通り。
 【環境にやさしく、安全・安心を実感できるまちづくり】 ▽公立保育所施設整備事業=西浦保育所の移転改築のため、移転先の地質調査、基本設計と実施設計を行う。同保育所は西浦立保の海岸近くに建つため、これを高台に移す。移転先は西浦平沢の西浦小(海抜一七・八㍍)の用地一画。二十五年度での建設を予定している。
 ▽公営住宅整備推進事業=民間活力を導入したPFI方式で建設した自由ケ丘団地(大岡)買い取ゆなど継続事業のほか、新たに八重団地建設に向けた敷地九、一二〇平方㍍の整備、今沢市営住宅など三か所で市営住宅集会所耐震補強の実施設計を行う。
 ▽消防庁舎整備事業=西部地域消防拠点施設として、現在の消防西分署、原分遣所を統合。原団地内に新施設を設けるために用地三、七四〇平方㍍を取得する。
 ▽津波対策事業=二十三年度補正予算で行ってきた津波避難看板等の整備、津波避難路整備に対する補助など継続事業に加え、新たに千本の市立ときわ保育所周辺の避難地整備調査、津波避難ビル誘導看板設置を行う。
 同保育所は千本浜海岸からほど近く、海岸防潮堤はあるものの、周辺は風致地区のため高い建物がない。
 ▽災害時通信システム増強事業=同報無線子局・地域防災無線移動局増設の継続事業に加え、新たに災害時通信手段の検討と整備を行うもので、衛星携帯電話の活用などを予定。
 ▽防災ラジオ整備事業=自動起動式新型防災ラジオの有償配布。既に配布済みのラジオがあるが、今度はFMが受信できる。一台二千円。
 ▽小学校施設災害対策事業=津波浸水想定区域の二小、三小に津波避難用の屋外階段を整備する。
 【元気でいきいきと暮らせるまちづくり】
▽地区センター建設事業=(仮称)門池地区センターと門池公園管理施設との合築工事を二十四、二十五の両年度で行うほか、二十三年度に地質調査を実施した(仮称)今沢地区センターの基本設計と実施設計を行う。門池地区については門池北側、今沢地区については、同地区の中央公園に隣接して施設建設の予定。
 また、内浦地区で地区センター建設のため、基本設計と実施設計を行う。建設予定地は内浦小用地内。同校の海抜は、校舎の位置する場所が八・二㍍、グラウンドは一五・二㍍。
 ▽放課後児童クラブ運営事業=児童数が増加した第四放課後児童クラブで一クラブ増設し二クラブとする。
 ▽小中一貫型学校整備事業=静浦地区に小中一貫校を整備するもので、グラウンド整備などに続き、二十四年度は校舎の建設に入る。二十五年度との継続事業。
 ▽市民運動場整備事業=大岡市民運動場で、運動場整備のための工事を行うとともに、駐車場整備に向けた測量設計を実施する。駐車場整備は二十五年度を予定。
 【魅力と活力にあふれ、にぎわいに満ちたまちづくり】
 ▽商業まちづくり推進事業=よさこい東海道開催への補助など継続事業に加え、新たに個店魅力アップ事業への補助。仲見世商店街振興組合が四店舗を選んで実施する取り組みへの補助。
 ▽にぎわいづくり企画推進事業=燦々ぬまづキャンペーン実施への補助など継続事業に加え、新たなにぎわい創出・発信事業に対して補助を行う。NPO法人など民間の活力を活用。企画を公募し、優れたものの実施を補助する。
 ▽地域農政総合推進事業=次世代農業者の支援・育成、耕作放棄地対策など継続事業に加え、環境保全型農業者、いわゆるエコファーマーに対する補助を実施する。
 ▽農山漁村活性化事業=ダイビング施設整備に対する補助。西浦平沢のらららサンビーチへ内浦漁協が行う事業を補助するもので、夏場の利用が盛んな同ビーチにダイビング施設を整備することにより、通年利用ができるようにする。
 ▽スマートインターチェンジ設置事業=現東名高速道愛鷹サービスエリアへのスマートインターチェンジ建設のための測量設計を行うとともに、新東名高速道駿河湾沼津サービスエリアへのスマートインターチェンジ導入を検討する。
 ▽道路新設改良事業=市道整備など継続事業のほか、新たに三園橋アンダーパス(自転車歩行者道)を整備する。
(沼朝平成24年2月4日号)

2012年1月25日水曜日

沼津・瀬尾記念病院 改善指導

沼津・瀬尾記念病院
病室以外に患者入院 県など改善指導
 医療法人社団慶信会(井上慶三理事長)が運営する沼津市上土町の瀬尾記念病院が、病室以外の患者入院を常態的に行っていたとして、県から医療法に基づく指導を受けていたことが、24日までの取材で分かった。同法人によると、許可を受けた60床以上のベッドを置いていたとして、診療報酬上の問題で厚労省東海北陸厚生局の指導も受けたという。
 県や同法人によると、同病院は病室ではない個室の処置室など計7部屋12床に患者を繰り返し入院させていた。井上理事長は「手術予定の患者のベッド確保や救急患者、緊急入院の受け入れなどで目的外で使用してきた」と認め、「診療報酬の返還にも適切に対処したい」としている。
 病室外の患者入院は、県東部保健所による昨年11月末の立ち入り検査で発覚した。県医務課は病院関係者からの情報提供などを元に調べたとして、「普段は書類上のチェックが中心。ベッドを隠すなどの病院側の隠ぺいなどもあって見抜けなかった」などと説明する。今月19日までに改善状況を確認したという。
 井上理事長は、同病院の今後の運営について、4月から病院体制を変更して無床の診療所とする方針を示した。2次救急医療など同病院の機能は、同法人が沼津市下香貫で運営する瀬尾記念慶友病院(66床)に統合する考え。
 同法人のホームページによると、瀬尾記念病院はリハビリ科を併設した整形外科の専門病院。昭和30年代に開院した医院を前身に、1996年に現地に移転新築した。常勤医師は5人。入院基本料を算定する看護師比率は13対1を掲げる。
【 理事長一問一答】
「正確には知らなかった」
 瀬尾記念病院を運営する医療法人社団慶信会の井上慶三理事長は24日までに、静岡新聞社の取材に応じた。一問一答は次の通り。
 ーいつから病室以外に患者を入院させていたのか。
 「調査中。昨年6月に病院内のコンピューターを更新したため、正確な時期が特定できていない」
 ー医療法に触れている認識はあったか。
 「(病室の)運営状態を正確には知らなかった。(施 設の)目的外使用を漫然と続けていた責任は私にある」
 ー無床の診療所に変える理由は。
 「入院患者の維持が難しく、医師や看護師不足もあり病院経営が成り立たない。地域医療や救急を維持するための苦渋の選択だ」
 ー入院患者数の超過はなかったのか。
 「入院患者は(許可病床の)60人以下を維持していた。そのため今回の問題への意識が低かったとも言える」
(静新平成24年1月25日朝刊)

2012年1月12日木曜日

陸山会事件:小沢元代表公判やりとり

陸山会事件:小沢元代表公判やりとり
(静新平成24年1月12日朝刊)
陸山会の土地購入をめぐる収支報告書虚偽
記入事件で、東京地裁で11日開かれた民主党元代表、小沢一郎被告の第13回公判の主なやりとりは次の通り。
 午前10時前、小沢元代表が証言台へ。検察官役の大室俊三指定弁護士が被告人質問を再開した。
 元秘書の石川知裕衆院議員に渡した現金4億円の出どころについて、元代表は①バブル時代に転居した際の土地売却益2億円②金融危機の際に銀行から引き出した3億円③同様に引き出した6、7千万円ーで合計5億6、7千万円と説明した。
 指定弁護士は②の後、妻の口座に入金があった2億9千万円を「同じ金では」「その後、供述を変えたのでは」と追及。
 小沢「変えていない。正確な記憶がなかっただけだ」
 大室「東京のマンションの事務所にいつから4億円以上あったのか」
 小沢「かなり以前」
 大室「億単位の現金保管は想定できない」
 小沢「必要ができた場合、すぐ対応できる。使い勝手や安全の意味で手元に現金を置くのは私の感覚では離れていない」
 元代表の個人口座にも質問が及んだ。
 大室「どんな資金が」
 小沢「国会からの歳費や印税、出演料など」
 大室「石川さんはマンションの現金をもともと知らなかったから『何か表に出せない金』と思ったのでは」
 小沢「渡す時には『私のお金だから』と言ったように記憶している」
 指定弁護士は石川議員に4億円を渡した場面について聞いた。
 大室「紙袋に入れて新聞紙で覆ったのは」
 小沢「僕だと思う」
 大室「1億円は10㌔と重い。忙しいあなたがやるのは、ふに落ちない」
 小沢「プライベートな資金なので」
 4億円はその後、池田光智兀秘書が返却した。
 大室「なぜ現金で」
 小沢「いつでも使えるように」
 質問は土地購入代金の支払いについて。
 大室「秘書があなたの意見を聞かずに、登記時期をずらして先に代金を支払うのは不目然だ」
 小沢「政治家と秘書は人間の信頼関係で成り立つ。家族のような存在。秘書に任せないと天下のことに集中できない」
 質問は、土地購入の際、銀行に4億円を預けて担保とし、同額の融資を受けた仕組みに移った。
 大室「融資申込書などにサインする際、石川さんらから『借り入れは形式的』との説明は」
 小沢「ありません」
 大室「石川さんはこの法廷で『預金担保で購入します』『預金担保の書類』などと言ったと述べたが」
 小沢「細かな説明を受けた記憶がない」
 大室「4億を用立て、何百万も金利を払う借り入れをする合理性は」
 小沢「いちいち理詰めで考えていない」
 指定弁護士は、土地の権利が元代表にない証明として作った確認書について質問を始めた。
 大室「2007年の事務所費公表の際、いつ作成したと説明したのか」
 小沢「分からない」
 大室「代金を支払った際と言わなかったか」
 小沢「表現の仕方は記憶していない」
 大室「支払い時に作成したのではないですね」
 小沢「公表時に(他の土地も含め)確認書が全部あると思っていたらなく、じゃあ作ろうと」
 大室「公表の際、後から作ったと分かった上で説明したのか」
 小沢「そうだと思う」
 指定弁護士が週刊誌の質問に池田元秘書の名前で答えた回答書を示す。
 大室「個人資産を提供したことが回答の中にない。隠す趣旨では」
 小沢「邪推だと思う」
 大室「4億円を持っていることは公表したか」
 小沢「いいえ」
 大室「4億円が現金で返されたことも公表していない」
 小沢「と思う」
 午前11時55分ごろ休廷。
午後1時半に再開。村本道夫指定弁醗士が質問を始めた。
 村本「石川さんらの政治資金収支報告書の処理に間違いはないか」
 小沢「正しく記載し報告していると思う」
 村本「見ていないが」
 小沢「秘書を信じているし、内容はそんなに複雑でなく誰でもできる」
 村本「04年10月にりそな銀行から借りた4億円は05、06年に2億円ずつ返したと知っていたか」
 小沢「銀行とのやりとりは分からない」
 村本「4億円の利息があなたの口座から出されていたと知っていたか」
 小沢「最近聞いて驚いた。笑い話のように聞かされ、へーって言った」
 村本「05年に2億円の借り入れが継続した」
 小沢「明確な記憶はない」
 村本「利息支払いは」
 小沢「分からない」
 村本「池田さんは、2億円分の利息は『もったいないので返せ』とあなたに言われたと」
 小沢「聞いていない」
 村本「石川さんが秘書になった後、政治団体の支出の六十数%が不動産購入だが」
 小沢「私の考えではない。賃貸だと賃貸料が増大するので、ローンが組めるなら、その方がいいという結論になった」
 村本「政治活動を辞めた後の不動産は」
 小沢「陸山会の財産の残り全てで次の世代の人を応援したい」
 質問者が山本健一指定弁護士に交代した。
 山本「(元代表が)4億円を用立てると言ったのは石川さんなどの証言では04年9月だが、実際に渡したのは同10月」
 小沢「いつ金が必要かは担当が言う話だ」
 山本「10月に売買契約が成立したからでは」
 小沢「具体的な契約や取引の報告はない」
 弁護側の弘中惇一邸弁護士が再質問に立った。
 弘中「4億円の原資となった東京都文京区の不動産の売却額は」
 小沢「14、15億円」
 弘中「世田谷区に購入した代わりの住居は」
 小沢「9億円前後」
 元代表は、ほかはも相続した東京・上野の土地を約40年前に1億円前後で売却したと述べた。
 弘中「個人口座から現金を出金したことは」
 小沢「ある。『日本改造計画』の印税8千万円を含めていろいろ収入も加わり、引き出したのは1億6、7千万円と銀行の資料にあった」
 弘中「4億円を用立てた時、政治団体の手持ち資金の合計を聞いたか」
 小沢「聞かなかった」
 弘中「資料によると7億円ぐらいあった」
 小沢「知らなかった」
 弘中「融資申込書などにサインしたが内容は」
 小沢「多分見ていなかったと思う」
 元代表は捜査段階で「確認書作成を指示し、間もなく作ったはずだ」と供述したが、後に「数日前に作成した」と訂正。この日、元代表は「いくつかの不動産で作っていなかった。あるという感覚だった」と釈明した。
 弘中「事件後、石川さんから登記ずらしを報告された可能性は」
 小沢「全くないと断言する根拠はない」
 弘中「検察官は話したことをその通りに受け止めて調書を作ったか」
 小沢「検察官の質問に首をかしげながら、という連続だった。訂正を求めたが、争ってもしょうがないと思い、そのままに。そのようなことが何度かあった」
 弘中「『現金を手元に置くと使い勝手が良い』と言ったが、実例は」
 小沢「総選挙で仲間を支援した。(政治団体の)改革フォーラム21から寄付が来るのに時間差があった。全国に仲間が散る前に埋め合わせた」
 午後3時すぎに休廷。
 午後3時40分に再開。井下田英樹裁判官が「収支報告書や資産公開を見ていなかったということか」と質問を始めた。
 小沢「資産公開については分かっていた」
 井下田「国会議員のキャリアの中で最初から報告書の内容を把握していないのか」
 小沢「作成には最初から関与していない」井下田「4億円を用立てることは一般国民には理解し難い」
 小沢「秘書はある意味で家族。(返済は)心配していなかった」
 井下田「融資申込書にサインした場面で、無言で持ってきてサインするとは不思議。最低限のやりとりはあったのでは」
 小沢「簡単な会話はしたと思う」
 井下田「約束手形にサインした時、陸山会に貸したとの認識は」
 小沢「銀行との話でこの形になっただけ。理詰めで考えたことはない」
 井下田「4億円。普通感覚では慎重になる」
 小沢「秘書と銀行なので疑念は挟まなかった」
 井下田裁判官は仮定の質問をぶつける。「陸山会への4億円の貸し付けだけを計上した経理処理の報告を今受けたら、よしとするか」
 小沢「仮定の話で法律的なことは分からない」
 井下田「あなたが提供した4億円を土地に使ったことを報告書や資産公開書に記載してもいいかと、相談されたら」
 小沢「構わない」.
 質問者は平塚浩司裁判官に交代。「秘書からの年末の報告は」と聞かれた元代表は「細かい数字を聞いた覚えはない」と答えた。
 平塚「石川さんのノートに『先生に伺いを立てる』などの記載がある。留保をつけたものは」
 小沢「ないと思う」
 平塚「石川さんに4億円を渡したとき、事務所の金庫から取り出して数え、紙袋に入れたのか」
 小沢「金庫のものを彼に渡したのだろう」
 平塚「陸山会の代表と個人とは別人格。貸し借りの意識がないとの主張は理解できない」
 小沢「実体は同一。他の人との貸借契約と同じ意識はない」
 平塚「石川さんは融資の書類にサインをもらう際、『定期預金を担保に融資を受ける』と説明したと証言したが」
 小沢「なかった。絶対にないかと言われると否定する根拠はないが、覚えていない」
 平塚「池田さんが『利息がもったいない』と言われたと証言した」
 小沢「記憶にない」
 平塚「秘書が不相応なことをして損失を与えたり、不法なことをしたりして監督責任が問われる恐れは考えないのか」
 小沢「不祥事があれば自分の不徳。違法や不正.があれば私の責任」
 平塚「政治資金規正法は正確な報告書の提出を求めている。天下国家にまい進と言ったが、報告書を確認する責務は」
 小沢「ある。責任逃れではないが、目を通す議員はほとんどおらず、それでいいのかとお叱りを受けるならその通りだ」
最後に大善文男裁判長が尋ねた。
 大善「年末の各団体の運営報告の時間は」
 小沢「数分。トータルとして各団体でうまくいっているかどうか」
 大善「大久保(隆規元公設第一秘書)さんが会計にタッチしていない」
 小沢「実務は石川と池田だと認識していた」
 大善「報告書の宣誓書に会計責任者が署名するが、石川さんや池田さんが署名していた」
 小沢「決していいこととは思わないが、公正、正確な報告書なら、とがめない」
 質問は確認書に移る。
 大善「(不作成について)秘書を叱責(しっせき)したか」
 小沢「分かった時点で作成すれば意義がある」
 大善「陸山会の事件が報道されたとき、石川さんに説明を求めたか」
 小沢「やましいことはないと思い、石川も池田も呼んだことはない」
 大善「『政治状況を考慮して』土地登記をずらした秘書の行動は」
 小沢「彼らなりによかれと思ってやったこと」
 質問終了。弁護側は石川議員を取り調べた検察官が捜査報告書に虚偽記載したことなどを理由に公訴棄却を主張。
指定弁護士側は「公訴の効力に影響はない」と反論、午後5時半ごろ閉廷した。