2020年11月7日土曜日

201101杉原千畝夫妻顕彰碑・除幕式


 千畝夫妻の顕彰碑除幕 沼津

 第二次大戦中に迫害から逃れるユダヤ系難民に「命のビザ」を発給して、多くの命を救った外交官杉原千畝(一九〇〇~八六年)と妻で二〇〇八年に九十四歳で亡くなった沼津市生まれの幸子さん夫妻の顕彰碑の除幕式が一日、同市の港口公園であった。碑を建立した同市の「命のビザ・杉原千畝夫妻顕彰会」によると、千畝単独の顕彰碑は世界各地にあるが、夫妻の顕彰碑は世界初だという。



 顕彰碑は白御影石製で、高さ一・六㍍、幅一・四㍍。中央に夫妻の肖像レリーフが刻まれている。千畝誕生百二十年、「命のビザ」発給八十年となる今年、幸子さんが生まれた沼津市から夫妻の人道主義を後世に伝えようと、顕彰会が寄付を募り、地元の石材会社が製作した。

 除幕式には、夫妻の孫でNPQ法人「杉原千畝命のビザ」(東京)副理事長の杉原まどかさんや顕彰会関係者らが出席した。

  まどかさんは、あいさつで「本国の訓令は絶対で、命を落としかねない中、(幸子さんは)祖父を励まし、腫れた腕をマッサージしていた」と紹介した。式後の取材に「二入そろっての顕彰はうれしい」と笑顔を見せていた。

 式には在日イスラエル大使館のバラク・シャイン広報官も出席。ナチスによる大量虐殺(ホロコースト)から逃れた家族がいるといい「反ユダヤ主義が今も存在する中、夫妻の偉業を学べる顕彰碑の意義は大きいい」と喜んだ。

 顕彰会代表で僧侶の松下洋一郎(僧名・宗柏)さん(七二)は「顕彰碑の設置は始まりにすぎない。利己の動きが目立つ現代で、失妻の人道主義を伝え続けたい」と話した。(渡辺陽太郎)


↓賴重市長FBより借用



杉原千畝夫妻の碑除幕 夫人出身地の沼津・港口公園

2020/11/2 09:20)アットエス



顕彰碑の除幕を祝う関係者=沼津市の港口公園

 第2次世界大戦中、ドイツ軍の迫害から逃れるユダヤ人を救った「命のビザ」の発給で知られる外交官杉原千畝(1900~86年)と、活動を支えた沼津市出身の幸子夫人の功績をたたえる顕彰碑の除幕式が1日、同市の港口公園で行われた。
 千畝の生誕120年と、千畝がリトアニアでユダヤ難民にビザを発給してから80年になる節目に合わせ、「命のビザ・杉原千畝夫妻顕彰会」(松下宗柏代表)が顕彰碑の建立を企画。クラウドファンディングなどで制作費を集め、準備を進めてきた。
 式典では、松下代表が「人道の精神が後世に伝わり、人類の共存と平和に向けたしるべとなることを祈る」とあいさつした。在日リトアニア大使夫妻やイスラエル大使館の広報報道官夫妻、地元高校生などが除幕を行い、幅約1・4メートル、高さ約1・6メートルの石碑と夫妻の肖像レリーフ、説明板がお目見えした。杉原夫妻のレリーフ設置は世界初という。
 関係者らは顕彰碑に献花し、夫妻の功績をしのんだ。イスラエルのバラク・シャイン広報報道官は「残念ながら世界ではユダヤ人への嫌悪はなくなっていない。顕彰碑を通じ、ホロコーストの恐ろしさから学ぶことを大切にしたい」と話した。
 千畝の孫でNPO法人「杉原千畝命のビザ」の杉原まどか副理事長は「千畝の手記に『妻の協力でビザを発給できた』とある。夫妻で取り上げられたことがとてもうれしい」と感慨に浸った。

 



祝辞の部動画↓

杉浦千畝夫妻顕彰碑を除幕

 幸子夫人生誕地沼津の港口公園で 杉原千畝(ちうね)・幸子(ゆきこ)夫妻顕彰碑の除幕式が1日、千本の港口公園で開かれ、多くの来賓らを招いて盛大に行われた。今年は、杉原千畝「命のビザ」発給から80周年に当たる。「命のビザ・杉原千畝顕彰会」の松下宗柏代表は、幸子夫人の生誕地である沼津に顕彰碑を建立できないかと発起。多くの人の賛同と協力を得ながら実現に至った。除幕式には、夫妻の親族や、駐日リトアニア大使、イスラエル大使館広報報道官、頼重秀一沼津市長らが出席。また、高校生が参加して通訳や運営に一役買った。

 リトアニア大使が出席

 イスラエル大使館広報報道官も

 除幕に先立ってあいさつした松下代表は、多くの人の協力を得て顕彰碑の建立が実現したことに感謝した後、今年9月に杉原千畝ゆかりの岐阜市で、各国大使らの「一字書展」が開催されたことに言及した。

 リトアニア大使は「道」という字を書いて出品したと言い、松下代表は、そこに支え合って生きることを表す「人」を合わせた「人道」という言葉を取り上げ、「富士山のふもと沼津から、人道の精神が後世に伝わり、人類の共存と平和に向かって、勇気を持って向かう標(しるべ)となることを祈ります」と話した。

 続いて行われた顕彰碑の除幕は、建立に尽力した多くの人の手によって行われ、高校生達も加わった。顕彰碑には夫妻の肖像レリーフがはめ込まれたが、2人揃ったものは世界で初めてだという。

 除幕後、はじめに祝辞を行ったのは千畝夫妻の孫で、NPO法人「杉原千畝命のビザ」副理事長の杉原まどかさん。

 「祖母の幸子が生まれ、戦後、杉原一家が最初に落ち着いた所」である沼津は縁の深い地だとし、幸子さんが27年前、80歳の時に沼津で講演したことにも触れた。

 また、千畝からビザ発給を受けたユダヤ人の「サバイバー」(注・事件や事故、災害などで生き残った人)は、現在では数えるほどしか生存していないというが、その中で親しくする家族から、今回の除幕式のために寄せられたメッセージを紹介。

 ナチスドイツによって命を奪われた数多くの家族がいた一方、命のビザが救った数千人の幸運なユダヤ人の命があり、その子孫達、数万人へ千畝の物語は伝えられていることが綴られていたと言う。

 そして、まどかさんは「差別による人権侵害を決して許さず、自らができることをして苦境にある人を助ける勇気と善意の心が広がることを願います」と結んだ。

 続いて、リトアニアのゲディミナス.バルブオリス駐日大使は「国内外で杉原千畝の偉業を称える場所が増えている」ことを指摘。岐阜、愛知に続いて沼津にも、その場が出来たことで、「日本とリトアニアが、杉原夫妻の架け橋によってつながることを期待します」と述べた。

 また、イスラエル大使館のバラク・シャイン広報報道官は自らが「ホロコースト(注・大量虐殺)の第2生存者」であることを明かし、第二次大戦中、スロバキアにいた父親と家族は、ユダヤ人迫害から生き延び、イスラエルに移住したと話した。

 その上で、「この顕彰碑は私や、他の被害者にとって特別な大切なもの」だとし、碑を目にした人達が、ここから学ぶことがあるように願った。

 さらに、頼重秀一市長、沼津千本ライオンズクラブ大橋裕之会長、「杉原千畝物語オペラ人道の桜」の脚本を執筆し幸子夫人の役を演じている新南田(しんなんだ)ゆりさんが祝辞を述べた。

 また、川勝平太知事や、千畝ゆかりの各地から多くの祝電も寄せられ、最後に祝賀演奏として市内出身の音楽家によりバイオリンと電子ピアノで「愛の挨拶」「情熱大陸」、そして「富士山」が演奏された。

 一方、今回の式典における司会進行の言葉や大使らの祝辞は、暁秀高バイリンガルコース2年の生徒5人が通訳。5人は緊張しながらも見事に大役を果たした。

 また、西高の生徒2人が運営を手伝い、千畝の偉業をよく知っていて、「(式典開催に)関わることができて光栄に思う」と話した。

 松下代表が高校生に参加を呼び掛けたのは、「若い世代の人達に、沼津への誇りを持ってほしい」という願いによる。

 頼重秀一市長も「杉原夫妻のように『利他の心』を持つことを、こうした場所を通じて子ども達にも伝えていけたら」と願った。 松下代表は、顕彰碑建立地として、趣旨を酌み同公園を提供してくれた頼重市長に感謝。

 さらに今回の事業には、レリーフを制作した綿引道郎氏、碑文を揮毫した成田真洞氏、顕彰碑の設計・製作を寄贈した真島石材工業、説明版を寄贈した千本ライオンズクラブをはじめ、多くの人が協力。また、クラウドファンディングによって広く賛同者から寄付金が寄せられ、顕彰碑建立の呼び掛けから半年程で実現を見ることになり、除幕式への参加者は関係者を含め300人程に上った。

 当日の運営には松下代表が住職を務める長興寺の青年部わかしお会が縁の下を支えたほか、実現に向けて多くの支援があった。

 式典を終えた松下代表は安堵した表情で、「幸子さん、お帰りなさい。これでやっと沼津に認識された」と語り、「戦争の経験がある世代が少なくなり、歴史一的な記憶が薄れていく中、夫妻の偉業が次の世代に伝われば」と願い、今後も継続して活動を続けることが必要だと話した。

【沼朝2020(令和2)113(火曜日)




杉原千畝の人道、博愛受け継ぎ 「多文化共生に理解を」 沼津前駐リトアニア大使講演  「命のビザ・杉原千畝夫妻顕彰会」(松下宗柏代表)はこのほど、前駐リトアニア大使の重枝豊英さん(68)=東京都=を招いた講演会「杉原千畝とリトアニア」を、沼津市の千本プラザで開いた。  2015~18年にリトアニアで大使を務めた重枝さんは、第2次世界大戦中にナチス・ドイツの迫害から逃れるユダヤ人にビザを発給して救った外交官杉原千畝と、同市出身の幸子夫人の歴史や当時の情勢を解説。「命令に反しビザを発給するか悩みながらも、困っている人を助ける正義心の強い人だった」と心情を推し量った。  重枝さんはリトアニアで在任中、千畝の行動や精神をたたえて国家規模で顕彰され、人々が日本への好意や敬意を抱いていることを感じたという。「杉原さんの人道、博愛精神を受け継ぎ、多文化共生の理解を深めることが大切」と述べた。講演会は、杉原千畝天妻顕彰碑除幕記念として実施し、市内外から約150人が聴講した。 【静新令和2年11月7日(土)朝刊】

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