県道東柏原沼津線の形状を変更
新放水路建設に伴い原踏切前後で
県道東柏原沼津線(旧東海道)の大塚地先の原踏切は沼川新放水路の整備に伴い約50㍍東へ移設される予定で、踏切の移設とともに同県道は北側に大きく迂回する形になる。移設時期については地元との調整が必要だが、それ程先の話ではない。
北側で大きくカーブ
既に現道東側に仮踏切
踏切と県道の移設によって、現在の踏切と道路の部分に新放水路の流路となるボックスを建設する。
計画では東海道線と交差する部分の県道下を放水路が通るためで、放水路が東か西側にずれていれば踏切移設を必要としなかったが、放水路整備に適した場所が、たまたま東海道線と県道の交差部だった。
鉄道下の放水路工事についてはJR東海が設計を済ませており、県は昨年8月にJRと協定を結んで東海道線と県道交差部の放水路建設に着工。昨年度は主に踏切の信号機の移設に関する工事を行った。県道の迂回については県が設計と工事を行っている。
鉄道と県道の交差部における放水路工事は昨年度から2027年度までの9年間を予定。この個所だけで約50億円が見込まれている。
鉄道下の工事は、まず線路の北側と南側の一部区間を、それぞれ矢板で囲み、囲んだ内部の土を掘る。線路上は電車が通るため手が付けられず、線路下に、中は空洞の鉄製四角柱を線路の南側から北側へ通して横倒しの四角柱で囲まれた空洞2つを造り、この2つの空洞が放水路となる。四角柱の空洞部分にはコンクリートを流し込んで埋める。
この工法はHEP&JES(非開削立体交差)と呼ばれ、鉄道下に構造物を造る場合に採用される方法で一般的にはあまり使われない。
今年度は線路南北の一定区間を矢板で囲む工事に着手し、来年度から3年間かけて主に矢板の内側を掘り下げる工事を行う。
23年度から26年度までは放水路となる四角柱を並べる工事などを行い、27年度で踏切を戻す予定。
現場近くの線路上にはJRが造った仮の踏切が既に姿を見せている=写真。
間もなく、現在の踏切が仮踏切と入れ替わり、同時に県道仮踏切を通るように迂回する。現道と、迂回路の接続場所は現在とは大きく形状が変わるため、注意表示など安全対策の工事を行う必要があり、その間、通行止めにする可能性もあるという。
迂回路が北側へ大きく曲がる形になるのは、県所有の用地の中で工事を完結させるため。
移設後の仮踏切と迂回路の形状は、切り替え後、約8年間続く。
【沼朝令和2年11月15日(日)号】
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