代執行請求手続き開始へ
沼津鉄道高架 知事と市長一致
JR沼津駅付近の鉄道高架事業に伴う沼津市原地区への新貨物ターミナル整備を巡り、移転用地の明け渡し最終期限を過ぎても用地1件で元地権者が物件の撤去に応じなかったことを受け、川勝平太知事と頼重秀一沼津市長は9日、県庁で会談して今後の対応について協議し、行政代執行(強制収用)請求の手続きを開始する方向で一致した。
行政代執行請求は、事業主体の市と県が共同で代執行庁の県に請求する手続き。請求を受けた県は勧告書や戒告書を通じて元地権者に物件の撤去を求め、応じない場合は物件を強制的に撤去する代執行が可能になる。
会談は約20分間、非公開で行われた。頼重市長は川勝知事に手続きの開始を要請。川勝知事は原地区の発展を第一に考えて対応する考えを伝えたという。
代執行の可否を最終判断する川勝知事は終了後、取材に応じ、元地権者らが国と県を相手に事業認定の無効確認を求めた訴訟の判決が12月24日に予定されていることを踏まえて「今しばらくは静観する」との考えを示した。仮に代執行を実施する場合、年明けになるとの見通しを明らかにした。
物件撤去に応じない元地権者に関しては「筋を通している。判決にどのような態度を取るか静かに見守りたい」とした。一方で「苦渋の決断をした(用地買収に協刀した)地権者にお礼を申し上げたい。原地区が発展するための重要な分岐点だ」と強調した。
頼重市長は取材に、行政代執行請求に必要な書類を近く県に提出すると表明したが「これまで通り、丁寧に対応することがすごく大事だ。撤去は自ら行ってもらうのが理想的だ」とし、代執行までに一定の時間をかけるべきだと指摘した。(政治部・大橋弘典)
【静新令和2年11月10日(火)朝刊】
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