2021年3月30日火曜日

210330富士山ハザードマップ改定・詳報as


富士山ハザードマップ改定・詳報

火山現象条件別に影響範囲示す



 17年ぶりに改定された富士山噴火時のハザードマップは最新

の知見に基づき、火山災害の影響が広がる恐れのある範囲を地

図で視覚的に表現している。静岡、山梨、神奈川3県などの協

議会による広域避難計画の策定や訓練の実施など、今後の防災

対応を行う上で最も重要な基礎資料となる。

 富士山ではこれまで溶岩の流出や火砕流の発生、爆発的な噴

火など、さまざまな種類や規模の火山現象が発生してきた。噴

火場所も山頂から麓までの半径13㌔に広がる。噴火前に火口位

置は特定できないとされ、火口が生じる可能性が高いエリアを

「想定火口範囲」に定めている。

 富士山ハザードマップには主に「ドリルマップ」と「可能性

マップ」がある。ドリルマップは火山現象ごとに発生位置や規

模などの条件を設け、シミュレーションで影響範囲を描いた分

布図。可能性マップは現象ごとのドリルマップを重ね合わせ、

地形条件などを考慮しながら、災害が最も早く届くまでの時間

1到達する見込みの最大範囲を網羅的に示している。一度の

噴火で可能性マツプのエリア全域に危険が生じることはない。

 ハザードマップの検討委は今回・改定で対象とした過去5600

年間に約180回の噴火があったことを確認した。うち小規模噴

火は49%・中規模噴火は47%を占め、貞観噴火(864866)

や宝永噴火(1707)などの大規模噴火は計7回とされる。た

だ、報告書では「次の噴火が頻度の高い小・中規模になるとは

限らず、大規模噴火になる可能性もある」と警鐘を鳴らす。

(社会部・松岡雷太)

【静新令和3(2021年)330(火曜日)】


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