地道な次の100年に 仙石規
今月、沼津市は市制100年を迎えました。この年を記念して、素晴らしい2冊の写真集が刊行されました。
沼津市明治史料館の『写真にみる沼津のあゆみ』と、同歴史民俗資料館の『絵葉書で見る100年まえの沼津』です。
前者は、明治時代からの貴重な写真を数多く収録しており、圧倒的な歴史を伝える豪華写真集です。
111年前の大正元年8月から、翌年大正2年3月3日に発生した沼津大火までの7カ月と、撮影時期が特定できる「初代御成橋」の貴重な絵葉書も掲載されています。
後者は、市になった時代と現在の市街地の写真が比較して楽しめる内容です。歴史民俗資料館勤務時代に小生と交流があった故瀬川祐市郎先生も天国で喜ばれておられるでしょう。
話変わって、小生は牧野富太郎博士の伝記を愛読し、植物博士を夢見た頃もありました。テレビドラマのモデルとして話題の牧野先生ですが、「素人は何をしても報われない」と大学教授に揶揄(やゆ)される場面を見て、涙が出ました。
小生も15年間沼津御成橋と町の歴史研究に情熱を傾けてきましたが、「名前を出したいだけだろう」などと罵倒され続けてきました。
牧野先生が、ただ植物を愛したように、私も「沼津御成橋」と沼津の歴史を愛しただけです。執筆した論文が、今回刊行の写真集に「参考文献」として掲載されただけで労が報われた気がします。
沼津は、これからの100年を「キラリ」より、多くの高齢者市民が安心して暮らしていけるために「犯罪の温床」とならない、災害に強い「地道な」まちづくりにつないでいけるように努力してください。
(郷工史家、市場町)
【沼朝令和5年7月22日(土)言いたいほうだい】
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