大手町五丁目の再開発
都市計画提案書を市に提出
大手町五丁目第一地区市街地再開発準備組合(理事長・古澤隆マルサン書店社長)は、大手町五丁目3番の市街地再開発事業を計画し、地区計画と第一種市街地再開発事業に関する都市計画提案書を作成。6日、古澤理事長ら役員4人が市役所を訪れ、頼重秀一市長に提出した。
同組合では、事業者提案の計画素案に関する近隣説明会を8月に開き、9月20日の臨時総会で、「まちに愛される未来に向けた賑わい発信地」「中心市街地にふさわしい街並み景観の共創」「豊かな自然環境の中での街なか居住」をコンセプトに都市計画提案書の内容を決定した。
それによると、ビジネスホテル三交イン沼津駅前が建つ一角を除き、旧マルサン書店ビルなどがある区画の地権者らが所有する敷地約4000平方㍍を事業区域として共同化による土地の高度利用を図って建物を更新し、25階建て再開発ビルの2030年度までの建設を目指す。事業協力者は旭化成不動産レジデンス・三菱地所レジデンス共同企業体。
立体駐車場を整備し、1、2碓の商業施設には隣接する商店街に溶け込み、個性を引き立てる小割りの店舗を整備。3階以上に良質な都市型住宅を整備して居住人口の増加を図る。
また、壁面の後退により、ゆとりある歩行者空間を確保し、歩行者の安全性と、にぎわいや防災性の向上、質の高い都市景観の形成、沼津市の中心市街地にふさわしいヒト中心のまちづくりを意識した、良好な都市環境を創出する。
提案書を受け取った市長は、沼津市が県東部地域の商業の核、交流拠点として発展した歴史、百貨店の撤退や商業施設の郊外出店などで空き家も増え、衰退した中心市街地の現状を話し、「30年来の懸案事項だった鉄道高架事業を中心とした沼津駅周辺総合整備事業が始まり、新たなステップとして民間サイドのまちづくりが本格化している。未来に向かって共に歩む素晴らしい事業」だと感謝し、先導的な役割に期待を寄せた。
続いて、市まちづくり指導課まちなか創造室の久保田美保室長が今後のスケジュールについて説明。市が提案書の内容を確認し、都市計画決定の必要性について検討し、必要性が認められた場合、都市計画法に則って公聴会の開催、都市計画案の作成、縦覧期間を設けて、市艮から意見聴取を行うことや、その上で都市計画審議会に付議し、都市計画決定に向かう流れを話し、「まちなかの将来像について情報を共有し、相互に協働しながら、魅力あるまちづくり再生事業の推進に向けて取り組みたい」とした。
古澤理事長は「説明会を開いたが、『早くやってほしい』という意見が多かった。かつての栄えた中心市街地を知らない人が増え、築50年以上の建物も多く、地震を心配する声もあって、『まちなかを何とかしないといけない』という機運が高まっている。25階建てのビルを建てて住宅を整備することで数百人規模で人口が増加し、シャワー効果で商店街の利用客も増える。第一弾として、この地区で成功させ、これをモデルに大手町の各地区で再開発が始まれば、今とは違ったまちづくりが出来るものと期待している」と話した。
【沼朝2023年(令和5年)10月13日(金曜日)】
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