町方町・通横町の再開発
イメージ具体化ヘワークショップ
市は町方町・通横町第一地区第一種市街地再開発事業に合わせ、周辺エリアの歩行者空間等の整備を計画、昨年度中に整備方針を作成したが、今年度は、再開発事業後の街並みについてイメージの具体化を図る「町方町周辺地区デザインワークショップ」の1回目を4日夜、八幡町の青少年教育センターで開き、町方町・通横町第一地区市街地再開発組合(水口隆太理事長)メンバーや周辺自治会の役員や住民ら15人が参加して意見を出し合った。
街並み「たたき案」を説明
参加者から意見、概ね案に沿い
再開発事業は、当初、アーケード名店街全体として計画していたが、2022(令和4)年に1街区、施行地区面積約3000平方㍍に縮小した計画に切り替え、事業の実施設計、建築工事、保留床の業務を一括して特定業務代行者のタカラレーベン・フジタ共同企業体が受託した。
総事業費は約79億円。このうち補助金は国から約22億円、県の約7億円、市の16億円を合わせた約45億円。鉄筋コンクリート造地下2階、地上10階建てで、地下1、2階が駐車場、1階が店舗3区画、2~10階に住宅105戸を予定し、1階の壁面を後退させた公共用歩廊空間の確保、横連窓を意識したファサード、建築物角部の曲線化など、現在の建築物の形態意匠を踏襲する。
市では、昨年度中に3回開いたワークショップで参加者の意見を基に、地区の将来像として「人々の交流豊かに、訪れたくなる、住んでみたくなる居心地の良いまち」、街なみ環境整備の基本方針として「にぎわいや回遊性を高める、質の高い街路空間の創出」を掲げ、整備に関する基本事項を定めた。
そのうち、道路については「特にメインストリートであるアーケード名店街においては駐車スペースを排除し、さらなる歩行者空間の拡大を図るとともに、道路のバリアフリー化や緑化を進め、訪れる人々がくつろぐことのできる空間を創出し、イベント等の地区行事に対応した利活用しやすい空間づくりや仕組みづくりを推進する」としている。
今回は、整備イメージを「たたき案」とした模型と大盤図を用意し、再開発ビル1階は北側に3店舗と地域開放スペースを設ける商業エリア、南側はマンションのエントランスやラウンジ、ゲストルームを設ける居住エリアとなることを前提に、公有地と民有地にまたがる公共空間を一体的な空間として整備することを提案。
昨年度から引き続き、地域まちづくり研究所の海野芳幸さんらが進行役を務め、事業の概要や今後のスケジュール、ワークショップの進め方などについて説明し、「たたき案」の内容を話した。
建物南側の居住エリアのエントランス前には、マンション住民の落ち着いた暮らしを守る視点から人が留まらないよう芝生や植栽、モニュメントなどを設置すること、北側の商業エリアには滞留空間や多目的な空間として移動販売車等の駐車スペースや駐輪スペースを設けることなど、平時とイベント開催時のテントなどの配置イメージも示した。
再開発該当街区では現在、居住者の引っ越し作業が行われており、今年度中に建物の解体を始めて3年後の令和9年度完成の予定で、この街区における街並み環境整備は建築工事に合わせて行う。
このため、今回と2回目のワークショップの結果を基に、9月上旬に開く予定の3回目までに道路付属物などハード面の配置については概ねの最終案を提示する必要がある。デザイン等の細部については4、5回目のワークショップで引き続き話し合い、管理運営のあり方、活用方法なども検討していく。
今回は参加者を2グループに分け、模型にある植栽やキッチンカー、テント、ベンチなどを動かしながら意見を出し合い、キッチンカー等の移動販売車による出店スペースとして用意する多目的空間については、「2台では少なすぎる。3台以上置けるようにして、週末にはキッチンカーに出店してもらい、集客につなげたい」「店舗3区画中、今のところ出店が決まっているのは2店舗。店舗の努力よりも滞留空間や多目的空間がある歩道で、いかに魅力を出すかにウエートをかける必要がある」などの意見が上がった。
また、「将来的には公園が駅からつながるような形となり、市のコンセプトづくりにも非常に役立つと思う」「出店する駄菓子屋には子ども達が集まるので、子ども達が安心して遊べるような遊び場があれば」などの意見もあった。いずれも、概ね「たたき案」に沿った形で意見がまとまり、今回出た意見を基に最終的な配置を決定する。
次回、7月23日に予定する2回目のワークショップでは、みどりの専門家を招き、樹木の大きさや花壇、芝生などの緑地、可動式プランターによる緑の設置や管理の仕方などについて具体的に検討する。
【沼朝令和6年6月7日(金)号】
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