2019年12月22日日曜日

淡島ホテル 旧運営会社破産手続き 負債400億円、債権者2000人


淡島ホテル
旧運営会社破産手続き
負債400億円、債権者2000
 沼津市の高級リゾートホテル「淡島ホテル」を運営していた株式会社淡島ホテルが静岡地裁沼津支部から破産手続きの開始決定を受けた問題で、負債額は400億円、債権者は2千人に上る見込みと、21日記者会見した関係者が明らかにした。破産規模は県内の過去20年間で最大規模とされる。ただ、「現段階で概要は把握できていない」(県弁護士会消費者問題委員会の山本洋祐委員長)とし、破産管財人などは情報収集を進める。
 負債額と債権者は山本委員長が破産管財人の文書を読み上げる形で公表。併せて破産手続き開始決定を正式発表した。
 同委員会によると、株式会社淡島ホテルは1983年設立で資本金は1千万円。グループ企業が運営する「ホテル長泉ガーデン」(長泉町)の会員権を販売するなどしていたとみられ、その後、会員である債権者から募った出資金や社傭などの弁済ができなくなったという。同ガーデンに居住するなどしていた約10人の債権者が7月、地裁沼津支部に破産を申し立て、今月20日に決定となった。
 旧運宮会社は破産手続き開始決定前の20184月、株式を第三者の名古屋市の家賃保証会社に譲渡。現在は同社の関連企業が運営している。今後について、同社の担当者は「今回の破産手続き開始決定は株式会社淡一島ホテルに対するもので、実際に業務を運営しているわが社とは関係がない。営業は変わりなく続ける」と営業継続の方針を説明した。
 山本委員長によると、債権者の多くは東京や神奈川など首都圏の居住者とみられるという。「大規模な被害になる可能性がある。今後の進め方を実りあるものにするために情報を寄せてほしい」と述べた。

 2526日電話相談 県弁護士会消費者問題委員会は2526の両日午前10時~午後5時、株式会社淡島ホテルの破産手続きの開始決定に伴う無料電話相談会を行う。専用の3回線を用意し、常時3人以上の弁護士が対応する。相談当日は〈電055(932)6750〉へ。
 ◇訂正 21日付朝刊1面「『淡島ホテル』破産手続き」の記事で、破産手続き開始決定を受けたのは現在の運営会社ではなく、旧運営会社の「株式会社淡島ホテル」で別会社でした。営業形態も会員制ではなくなっていました。写真説明で「運営会社」とあるのは「旧運営会社」でした。

 「営業継続」に地元冷静
 高級リゾートホテル「淡島ホテル」(沼津市内浦重寺)を運営していた株式会社淡島ボテルが静岡地裁沼津支部から破産手続き開始決定を受け、地元の観光や商工などの関係者からは21日、冷静な受け止めが聞かれた。
 今回の破産手続き開始決定を申し立てたのは、ホテル会員権を購入した債権者ら約10人。他の会員権購入者らも別の債権者団体を組織していて、この団体の事務局長は「同じ立場として推移を見守りたい」と話した。
 ホテルは現在、経営権を持つ家賃保証会社の関連企業が営業している。このため、関連会社は今回の破産手続き開始決定とは無関係として、宿泊客や予約などは今後も従来通りに受け入れるという。
 近年はアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」の登場人物の実家が経営するホテルのモデルとして人気のスポット。沼津市でこの日開催されたアニメ関連イベントに参加した東京都の会社員岡部誠義さん(32)は「『聖地』の一つとして今まで通り、運営を続けてほしい」と願った。
 地元からは冷静な反応も。近くで観光客をもてなしていた観光案内所の女性職員は「営業が続くのなら、周辺施設などが困ることもないのでは」。沼津市の商工団体関係者も「ホテルの取引先の連鎖倒産など、地域経済への影響は想定していない」と述べた。
【静新令和1年12月22日(日)朝刊3面】

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