静新社説
沼津市中心街再生 「住」を軸に糞体化急げ
沼津市はJR沼津駅周辺の中心市街地地を再生する指針「まちづくり戦略」をまとめ、社会実験に臨むなど具体化へ.検証を進めている。鉄道高架事業で生まれる鉄道施設跡地や高架下空間を活用し、沼津駅周辺を車中心から市民や来訪者が集い、交流する場へと再生ずる。
従来の中心市街地活性化や再開発計画は「商都・沼津」の再生が軸だった。だが、静岡県内の他都市と同様、郊外商業施設への購買需要の流出に抗することは困難で、計画の抜本的な再構築を迫られた。好材料は分譲マンション建設による中心街での人口増加。沼津市はこれらを踏まえ、駅周辺であえて人中心の公共空間の創出を打ちだし、「まちの顔」を一大居住地として再生する取り組みを構想した。
事業は駅周辺の都市再生の注目事例になろう。コロナ禍で経済の先行きに不透明感が漂い、民間投資に困難が予想されるが、市の総合力を発揮し、スピード感を持って取り組んでほしい。 幅広い世代を呼び込みたい。鉄道駅に加え、市内に乗り入れてるバスやタクシーを軸に交通網を整備して利便性を高めるごとが欠かせない。市は9月17日から、中心街や(年間約170万人が訪れる人気観光地の沼津港など市内7カ所に電動キツクボードを配置し、有料で貸し出す社会実験を始めるが、成果が得られれば貴重な移動手段にもなる。
駅周辺の課題は保育園など子育て支援施設の不足だ。市が行った中心街の居住者アンケートでも、子育て環境を懸念する声があった。駅周辺は医療施設は多いものの、幅広い世代を呼び込むには、子育て世代に視点を置いた取り組みが欠かせない。
まちづくり戦略の具体化で、沼津市内で起業したり、コワーヰングスペースを利用したりしている移住者に意見潅求めたい。首都圏巻をはじめ県外からの移住者が沼津で起業し、郊外へ宿泊施設開業や中心街の店舗開設など地元住民以上の活動を見せている。こうした人々は「よそ者」を自称し、ネツトワークを構成し、まちづくりに率直な意見を発信している。地元民が気付かない市の魅カの再発見につながる。
かつて沼津市の中心街には複数の大型店が並び、県東部、伊豆全域から買い物客を引きつけてきた。ピーク時の1994年には市全体の年間販売額は3076億円に達したが、現在は2千億円前後。特に中心街の年間販売額は半減し、商業機能の低下が顕著だ。にぎわいをいかに再生するか、まち全体をリノベーションする決意で取り組んでほしい。
【静新令和4年(2022年)9月5日(月曜日)】
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