慶應大・百寿総合研究センター長が明かす
百寿者の性格傾向とは?
ただし、その慢性疾患を病気別に見てみると、百寿者における糖尿病の有病率は6.0%で、一般の高齢者の3分の1程度と非常に低かった。また、がんや脳梗塞といった致死率の高い疾患の罹患率も比較的低いことが分かりました。
さらに遺伝的な傾向としては、百寿者はアポリポタンパク質E4(ApoE4)という遺伝子を保有している方が少ないことも明らかになりました。ApoE4はアルツハイマー病のリスクが高まる遺伝子として知られています。このことから、百寿と認知症には何らかの関係があると推察されます。
そして東京百寿者研究では、百寿者の性格傾向も調査し、やはりある特徴が見られました。具体的には、開放性、誠実性、外向性、協調性、神経症傾向と、「ビッグファイブ」と呼ばれる五つの性格要素を分析。すると、百寿者は誠実性と外向性が高い水準にあることが分かったのです。
誠実性が高いということは、責任感があり、勤勉で真面目であることを意味します。つまり百寿者は、自らを律する力が強く、決まり事をしっかり守る方が多いといえる。おそらく、医師からの指示や薬の用量・用法を厳守し、朝は6時に起きて夜10時には必ず寝る、運動をルーティンとして行うといったような生活習慣を守ることができるので、自然と長寿につながっているのではないかと考えられます。
高齢者にこそ必要な「コミュ力」
もうひとつの外向性の高さは、要するに人付き合いが良いことを意味します。人の輪の中にちゅうちょなく入っていけたり、コミュニケーションをとったりするのが苦にならない方が、百寿者の中には多かったのです。
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