沼津市庄司美術館副館長 松永純氏
まつなが・じゅん 2001年から沼津市庄司美術館(モンミュゼ沼津)職員。芸術振興を図ることを目的にNPO法人「レザミ・デ・ザール」を昨年立ち上げ、代表理事に就任した。同美術館副館長。同市出身。59歳。
庄司美術館が新装オープン
芸術の良さ伝える場に 2022年4月から指定管理者不在で休館していた沼津市庄司美術館(モンミュゼ沼津)が1月、リ=ユーアルオープンした。運営を県東部の芸術家らによるNPO法人が担う。今後の展望を聞いた。
―再開館までの経緯は。
「昨年4月の休館を受け、6月にNPO法人『レザミ・デ・ザール』を立ち上げた。活動に一緒に参加してくれる会員を集めるのが太変だったが、正会員は主に県東部の住民で27人にまで増えた。プレゼンテーションを経て12月から指定管理者になり、1月の再オーブンまでは期間が短く、どれだけ準備できるかという不安があったが、再オープンを迎えほっとしている。内装の」部をリニューアルし、展示作品も決め直したので、再来館する人にも楽しんでもらえる」
ー注力したい事業は。
「過去に同美術館で展示会を行った作家の作品を市内の学校の空き教室に集めて紹介する『ぬまづスクールミュージアム』を柱にしたい。来年度から事業化し、問題点を精査する。試験的に行える学校を募っている。子どもたちが美術館に来館するきっかけにしたい。展示としては2階に、沼津市ゆかりの版画家山口源と、旧制沼津中(現沼津東高)で教壇に立っていた色彩研究家前田千寸の史料を数多く並べた。常設だが、定期的に展示史料の変更も行つていく」
ー来館者減少や収益性など美術館を取り巻く環境は厳しい。課題をどう克服するか。
「まだ再オープンしたことを知らない人が多いと考えている。まずは再開したSNSで発信して広めていきたい、芸術の意義や奥深さなどを知る上でも、美術館を閉館させてはいけないという思いがある。特に県東部は美術館が少ない。コロナ禍で来館も減っている。若い世代に芸術の良さなどを浸透させたい。美術館の敷居を高く感じている親世代にも魅力を伝え、家族で来館してもらうことも目標」
ー地域の文化振興へ庄司美術館をどう生かしていくのか。
「地域の作家や若い人材を応援するために、企画展を行う1階に作品を展示し、多くの人に知ってもらう機会を提供していく、障害者の方にも来館してもらうなど、幅広い人に芸術に関心を持ってもらうイベントを考えている」
(聞き手=東部総局・小西龍也)
【静新令和5年2月5日(日)朝刊「本音インタビュー」】
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