売却先香港の会社選定
淡島ホテル 購入希望額8億円
沼津市の淡島ホテルの旧運営会社「淡島ホテル(現AWH)」が破産手続き開始決定を受けた問題で、破産管財人が3日までに、ホテルの建物を含めたAWHの保有する関連資産の売却先を、香港のIT製品販売会社に選定した。同日市内で行われた非公開の債権者集会後、出席者が明らかにした。
売却先は「エスアイエス・インターナショナル・ホールディングス」(本社・香港、リム・キアメン社長)。モバイルやIT製品の販売、不動産投資事業を展開し、総資産は964億円。2012年に大阪府の高層オフィスビル「りんくうゲートタワービル」の買収を機に日本のホテル事業に参入し、現在国内で計21棟のホテルを保有する。
出席者によると、購入希望額は8億円。今後同社との間で売買契約を締結し、AWH親会社側との訴訟が解決後に入金予定という。選定作業では計19社から購入希望の申し出があり、購入希望額やホテル業の実績、資金力などを判断。従業員の継続雇用や地域発展への貢献度なども重視した。
同ホテルを巡っては19年12月、静岡地裁沼津支部が旧運営会社の破産手続き開始を決定した。21年12月の地裁支部の強制執行により、ホテルは破産管財人の管理下に移り、業務委託契約を結んだ会社「フェニックス」がホテルの管理を行っている。管財人は22年8月ごろからホテルの任意売却に向け、購入希望者を公募し、売却先の選定作業に取り組んでいた。
【静新令和5年2月4日(土)朝刊】
売却先選定を歓迎
淡島ホテル債権者が集会
破産手続き開始決定を受けた淡島ホテル(沼津市)の旧運営会社が所有するホテル建物などの資産売却先に香港の企業が選ばれたのを受け、旧運営会社の債権者団体「淡島ホテルグループの責任を追及する債権者の会」は4日、都内で開いた集会で売却を歓迎する姿勢を示した。
集会で同会の加納晴彦会長は「8億円という購入希望額は想定以上。もう一度立派なホテルに戻してもらえることを期待したい」と語った。同会の代理人弁護士は、売却先を選定した破産管財人が3日の債権者集会で報告した内容を説明し、任意売却によって、配当の可能性が生じる見通しも示した。情報提供などで管財業務に協力した債権者には感謝の言葉が伝えられたという。
今後のホテル運営も話し合われ、購入予定者の企業には、管財人が重視した地域との連携を働きかけていく方針を確認した。
同ホテルを巡っては、旧運営会社の破産管財人が2022年からホテル資産の任意売却に向け、購入希望者を公募。3日までに香港のIT製品販売会社「エスアイエス・インターナショナル・ホールディングス」を選定した。ホテルは現在、元従業員が設立した新会社が運営している。
【静新令和5年2月5日(日)朝刊】
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