2009年7月7日火曜日

知事選分析(毎日新聞)

転機:’09知事選 川勝氏、都市部で勢い 得票数、坂本氏27市区町トップ /静岡(毎日新聞)

 16年ぶりに新たな知事誕生となった5日の知事選は、民主、社民、国民新3党推薦の静岡文化芸術大前学長、川勝平太氏(60)が初当選し、政権交代をアピールする民主党への世論の追い風を印象づけた。毎日新聞が行った出口調査と、出馬した4氏の得票状況から今回の知事選を分析した。【松久英子】

 県選挙管理委員会がまとめた45市区町ごとの得票数を見てみると、坂本由紀子氏が落選はしたものの、4候補の中で最も多い27市区町で最多得票していた。次いで多かったのが初当選した川勝氏で、17市区町でトップ。政党の支援を受けずに戦った海野徹氏は静岡市葵区で最多の票を得ていた。

 県内を地域割りすると、東部については三島市出身の坂本氏が支持を広げ、西部では浜松市中区にある静岡文化芸術大学長だった川勝氏がそれぞれ支持を広げる傾向が見え、それぞれ関係の深い地域で確実に得票していたことが分かる。海野氏の最多得票だった静岡市葵区も出身地で、前回の静岡市長選に出馬するなどこれまでの活動が深く浸透していたことがうかがえる。

 川勝氏の勝因は大票田の都市部での勢い。浜松市で2位の坂本氏に約4万票差をつけたほか、静岡市も約1万票差をつけた。逆に、坂本氏は富士、富士宮両市で川勝氏に競り負けるなど東部で川勝氏に大きな票差をつけることができず、及ばなかったといえそうだ。

 ◇川勝氏、幅広い世代が支持
 毎日新聞がSBS静岡放送などと5日、県内35カ所の投票所で実施した出口調査では、男性の44・4%が川勝氏、34・1%が坂本氏にそれぞれ投票したと答えた。一方、女性は43・3%が坂本氏、37・3%が川勝氏と回答し、男女で違いが表れた。

 年代別では、30~60代で「川勝氏に投票した」と答えた割合が最も高く、「坂本氏に投票した」との回答が最も多かったのは20代と70代以上にとどまり、川勝氏が幅広い支持を得ていたことをうかがわせた。

 「候補者を選ぶ際に重視したことは」と尋ねたところ、「マニフェスト、政策を比較」との回答が32・4%で最も高かった。次いで「経歴や実績など候補者の人柄」が26・8%、「景気、経済対策への考え方」が18・2%で続いた。

 現在の県政に対する満足度としては、「やや不満」が31・4%で、「かなり不満」が19・4%を占めており、過半数が不満を持っていることが浮かび上がった。反対に、「かなり満足」は2・6%にとどまり、「ほぼ満足」は16・5%だった。「かなり満足」「やや満足」と回答した層のうち約60%が「坂本氏に投票した」と回答。「やや不満」「かなり不満」と回答した47・8%は「川勝氏に投票した」と答えた。

 石川嘉延前知事が坂本氏を支援したこともあり、石川県政を評価する有権者は坂本氏に、変革を求める有権者が川勝氏に票を投じた傾向が出た

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