2009年7月21日火曜日

衆院解散を閣議決定

衆院解散を閣議決定…全閣僚が署名

 政府は21日午前の閣議で、衆院解散を決定した。


 与謝野財務・金融相らが一時、解散の閣議書への署名を拒否することに含みを持たせていたが、全閣僚が署名した。

 麻生首相は同日午後1時からの衆院本会議で衆院を解散する。政府は解散後の臨時閣議で、「8月18日公示―30日投開票」の衆院選日程を決定する方針だ。

(2009年7月21日08時39分 読売新聞)

自民:両院議員懇公開で開催 退陣要求は出ず
2009年7月21日 11時12分 更新:7月21日 13時6分
 自民党は21日午前、衆院解散を前に、党本部で両院議員懇談会を開いた。麻生太郎首相は冒頭、地方選挙の敗北などによる党内の混乱を謝罪したうえで、「景気回復が確かなものになるまで、総理・総裁の職務を投げ出すわけにはいかない」と述べ、自らが先頭に立って次期衆院選に臨む決意を表明した。出席議員からは首相の退陣要求など表立った批判はなく、予定の1時間を待たずに終了した。

 議員懇は21日午前11時半過ぎに開始。自民党は当初、会合を非公開とする方針だったが、首相が閣議後の閣僚懇談会で「自分もいろいろ熟慮に熟慮を重ねてきた。正面から話をし、みなさんの意見をしっかり聞きたい。公開で結構だ」と公開を決め、細田博之幹事長に指示した。

 議員懇で首相は「私の発言や『ぶれた』と言われる言葉が国民に政治への不安や不信を与え、自民党の支持率低下につながったと深く反省している」と陳謝。東京都議選など地方選の連敗についても「残念ながら所期の目的を果たせず、多大のご迷惑をかけた」と反省の弁を述べた。細田氏は「麻生首相を先頭にこれからも頑張っていかなければならない」と呼びかけた。

 これに対し、「なぜ堂々と両院議員総会を開かないのか」(原田令嗣衆院議員)との指摘は出たものの、首相への直接の退陣要求はなく、石原伸晃幹事長代理が約30分で質疑を打ち切った。首相批判を強めていた中川秀直、加藤紘一、武部勤の3元幹事長は発言しなかった。

 首相は最後に「私の願いは一つ、立候補予定者に(衆院選後に)全員帰ってきてもらうことだ。そのためにわれわれは一致結束して戦う以外にない」と締めくくった。会合後、菅義偉選対副委員長は党本部で記者団に「敵は民主党で、自民が団結して戦う意思統一ができた。ようやく戦う態勢ができた」と評価した。

 一方、中川氏は記者団に「首相のあいさつは、今までになく比較的よかった。潔く支持する」と表明。加藤氏も「かなりの犠牲が出るかもしれない戦いに行くわけだから、(首相のあいさつで)不安が解消できたかどうか分からない」と述べるにとどめた。衆院選前の党内の「麻生降ろし」はこれで完全に収束した。

 首相と細田氏、保利耕輔政調会長ら党幹部は20日夜、党本部で会談し、「議員懇での発言をみたうえで、公認問題に毅然(きぜん)とした態度を取るべきだ」との見解で一致した。公認権をたてに「反麻生」の動きを事前にけん制する構えをみせたことも、議員懇が波乱なく終わる一因になった。【近藤大介】

 ◇両院議員懇談会の発言要旨
 21日午前、自民党が開いた両院議員懇談会の発言要旨は次の通り。

 <麻生太郎首相>

 本日衆院を解散し、総選挙に臨むにあたって決意と覚悟を申し述べる。まずおわびを申し上げる。私の発言や、ぶれたと言われる言葉が国民の方々に政治への不安、不信を与え、結果として自民党の支持率の低下につながった。深く反省をしている。都議選をはじめ主要選挙において支援者の方々にお力添えをいただきながら所期の目的を果たせなかった。多大のご迷惑を掛けた。

 私は政局より政策、解散よりは景気対策、そう確信してこの半年ほどの間に4度の予算編成を行った。まだ道半ばであります。まだまだ解決しなければならない問題が残っている。経済対策一本でこれまでやってきた私としては景気回復がたしかなものになるまでは総裁の職を投げ出すわけにはいかない。

 雇用、医療、年金、子育て。(国民は)多くの不安に囲まれている。子供に夢を若者に希望を、高齢者には安心を。雇用に不安のない社会、老後に安心できる社会を実現する。行き過ぎた市場原理主義からは決別する。

 <原田令嗣衆院議員>

 ただいまの麻生首相の発言はまことに心強い。しかし、ではなぜ堂々と両院議員総会を開かないのか。納得できない。開かれた自民党。自由な議論をすべきであります。断固として民主党に勝たないといけない。そのためには開かれた自民党として、開かれた議論をやっていかないといけない。

 <西川京子衆院議員>

 十分に開かれている。今回この議員懇談会は麻生総理の決断で公開にしてくれと、これは麻生総理の覚悟、決断だ。公開の場できっちりこれだけの議論が行われている。

 先ほど、麻生首相が大事な自民党と民主党の違いを言った。安全保障の問題が一番大事だ。あの全英オープンに最年少で出場した石川遼君に「今一番印象に残っていることは何ですか」と聞いたら、「北朝鮮のミサイル発射です」と言った。17歳の少年でさえ、国家意識を持っている。安全保障の問題で日本の国を守るということを党内一致してやっている政党はどちらか。一致団結して戦わないでどうするのか。ナンセンスだ。

 <高市早苗衆院議員>

 政治を国家経営と考えると麻生首相は日本国株式会社の経営には成功している。しかし、自民党株式会社となると、しばらく経営に手を抜かれていた感があるのではないか。次の選挙、すべての自民党候補者が自民党候補であることを堂々と打ちだして、未来へのビジョンを打ちだしていく姿勢でみんなで戦いたい。

 今はライバル社が粗悪品を弁舌たくみに消費者に売りつけてまわっている。私たちは今売っている商品はかなり品質はいいが、ちょっと時代遅れ、これから夏の商戦に向けてそれなりにみなさんに喜んでもらえる商品を持って回りたい。自民党経営者として、有権者に示せるマニフェストをできるだけ早く、良いものを打ち出してほしい。

 <古賀誠選対委員長>

 主要選挙について、選対委員長としても足らざるところをお許しいただきたい。戦後史の中で自民党だから平和を確立できた。民主党が平和を約束するということを言えるか。

 <麻生首相の総括>

 自民党の結束が乱れたままである状態は残念だが、断固避けなければならぬと選挙のために強く思っていた。異論は当然あるだろうが、開かれた形でここに一致結束ができあがった。私の願いは一つ。ここにいる衆院選候補予定者は全員帰ってもらうことだ。我々は一致結束して戦う以外にない。

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