「自民県連三役辞任であるじ不在」
”本丸”役員室消滅の可能性
会派分裂 利用法が焦点
県議会最大会派・自民党県議団の控室の一つで自民県連三役が役員室として使っている部屋が、10月の三役辞任以降、あるじ不在の状態が続いている。県議団は路線対立から2会派に分かれる見込みで、自民の混乱ぶりを象徴するように、歴史ある役員室が消える可能性が高まっている。
役員室は県庁本館にあり、1937年の建設当時は知事室として使われた。70年に知事室が東館に移った後、約40年にわたり自民会派が使用してきた。県連幹事長経験者は「議会をけん引してきた県議団、県連の双方にとって本丸といえる場所」と位置付ける。
控室は会派の所属県議数に応じた面積配分で決まる。40人の大所帯だった県議団の控室は6室あり、二十数人が旗揚げする新会派と残留組の現会派とで再配分されるため、役員室をどう利用するかが焦点の一つ。県議会事務局は「新会派が設立された段階で、両会派で対応を協議してもらうしかない」という。
役員室をめぐっては、どの自民県議も「党と県議会会派が一体だったから役員室として利用できた。会派が分かれる以上、役員室は返上するしかない」と見解はほぼ一致する。
今後の利用法についてベテラン県議は「他会派の理解が得られれば、自民系両会派共通の応接室としての活用もある」と提案。中堅県議は「役員室も含めて、現在の自民党県議団の控室を物理的に二つに分ければよい」との考えを示す。
新会派の設立総会は19日。その後、議員控室の再配分など12月定例会(30日開会)に向けた対応が会派代表者会議などで始まる。
「役員室がなくなることは、言い方は悪いが自民本丸の落城。政権交代して自民が野党になった波が地方にも強く出ている」。ベテラン県議は党再生に向けた険しい道のりをぼやいた。
(静新平成21年11月13日(金)朝刊)
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