自民新会派22人参加へ
県会最大会派に名称「党改革会議」など候補
県議会最大会派「自民党」の分裂問題で、会派を離脱して新会派の結成を目指すメンバーの顔ぶれがほぼ固まった。所属する40人の議員のうち、6日時点で22人が参加するとみられ、1人だけだが第2会派「平成21」(21人)を上回って最大会派となる見通し。新会派名は「自民党改革会議」などが候補に挙がっている。1~4期の若手・中堅議員が約9割を占めることになりそうだ。
6日までに固まった新会派への参加メンバーは、1~6期の男性20人、女性2人。1、3、4期からの参加者が多く、計17人を占める見通しだ。22人の平均年齢は58・9歳。7月の知事選で党県連の方針に反して川勝平太氏の擁立に動き、文書による注意処分を受けた5人の議員の中からも参加者が出る見込みだ。
これに対し、旧会派メンバーは1~8期の男性17人、女性1人の計18人となる見込み。平均任期は5期とベテラン組が多く、平均年齢は63・4歳だ。
自民党はこれまで単独で県議会の総定数(74)の過半数を占め、議会では川勝県政に対し野党の立場をとってきたが、先の県議会9月定例会では、党議拘束をかけて「反対」を決めたはずの県空港部廃止条例案に対し、所属議員の一部が造反して賛成に回るなど、川勝知事との協調を目指したとみられる動きが表面化していた。
今回、旧会派に残るメンバーが川勝知事に協調的な議員が多いとみられるのに対し、新会派に参加するメンバーは川勝知事と距離を置くか、批判的。川勝県政に対するスタンスの違いがもはや覆いがたくなったことが、分裂の主な理由とみられる。
一方、各議員の選出選挙区ごとにみると、同一選挙区に複数の自民党議員がいる10選挙区のうち8選挙区で議員が新・旧会派に分かれることになる。県内では、先の衆院選や参院静岡選挙区補選を通して自民党や支持組織の退潮・衰退傾向が浮かび上がった。こうした流れの中で、約1年半後の県議選を見据えて生き残りを図ろうとする思惑も、今回の分裂の背後に見え隠れする。
新会派は19日に旗揚げ予定だが、それまで新旧両会派間で綱引きや切り崩し工作が水面下で続けられるとみられる。
(2009年11月7日 読売新聞)
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県議会:自民県議団、「単独過半数」が崩壊 知事は「少数与党」解消へ /静岡
◇30日開会 路線対立しこりも
県議会の12月定例会は30日開会する。会期は12月21日までの22日間。川勝平太知事は就任後3回目の県議会で、自民党県議団の会派分裂で「少数与党」状態が解消される見通しとなった。一方、1966年以来守ってきた自民党県議団の「単独過半数」は崩壊。新たに旗揚げする会派が「反知事」を鮮明にすれば、現行会派は「知事与党化」をにじませる。路線の対立は感情のしこりも生んでおり、分裂劇は議会だけでなく、「党再生」がかかる県連運営の火種にもなりそうだ。【浜中慎哉、望月和美】
□巨大会派が消滅
6日夕、自民党県議40人のうち、2日に旗揚げを表明した同党新会派に合流しない予定の2~7期の14人が県議会内で会合を開いた。約30分間話し合い、「仮の代表」として森竹治郎県議(下田市・賀茂郡、7期)を選出した。
過去、県議会の自民党県議団を大きく揺さぶったのは93年の旧新生党の結党だった。当時、自民党を離党した熊谷弘元通産相に近い同党県議11人が「新静会」の結成に走った。
それでも当時の県議会の定数78に対し自民党は41人を擁し、単独過半数を維持。県議会での影響力も保った。ところが今回は様相が異なる。一部の離脱でなく、40人のうち20人以上が新会派に加わる見通しで、定数74の単独過半数37人以上をどちらの会派も確保できそうにないためだ。
□勢い増す知事与党
県が12月定例会に提出予定の主な議案は、2月23日を「富士山の日」に制定する条例案など。日本航空の静岡空港撤退問題や、県の事業仕分けの結果をどう来年度予算案に反映させるのか、などもテーマになりそうだ。
知事与党は現在「平成21」(21人)と「民主党・無所属クラブ」(4人)の2会派で、平成21の三ツ谷金秋会長は「残留する自民党会派と同じスタンスで議案に臨み、問題点があれば一緒に協議したい」と期待する。
自民党の現会派に残る意向の中沢通訓県議も「平成21も含め他会派との協調は十分ありうる」と連携をにじませる。公明党(6人)は明確な反対姿勢をとっておらず、川勝知事にとって議会対応はやりやすくなりそうだ。
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