江原素六の書23点
書家杭迫さん(森町出身)作品も
沼津で展示
県東部の産業や教育振興に尽力した実業家江原素六(1842~1922年)と、森町出身で日本を代表する書家の杭迫柏樹さん(89)=京都市=の書を展示する「江原素六遺墨展・書 杭迫柏樹の世界展」(江原素六先生顕彰会主催、静岡新聞社・静岡放送後援)が2日、沼津市のプラサヴェルデで始まった。7日まで。
顕彰会設立60周年と市制100周年を記念した展示会。市明治史料館などが所蔵する素六の書23点と、JR沼津駅北口にある素六の銅像の題字を揮毫(きごう)した杭迫さんの書21点が並ぶ。素六の書は、自身の座右の銘だった「先憂後楽」など、中国の古典や聖書の一節をしたためた作品が中心。杭迫さんの書は自身が大切にする言葉などを書いた躍動感ある作品が飾られている。開会式で杭迫さんは「『書は人なり』というが、江原先生の書は、先生の謙虚なありのままの姿が見える」と素六の人柄をしのんだ。会場では、県書道連盟東部支局選抜役員展も同時開催している。
【静新令和5年11月3日(金)朝刊】
江原翁の遺墨と杭迫氏の世界展
7日までキラメッセの市民ギャラリーで
「江原素六遺墨展」「書 杭迫柏樹の世界展」が7日まで、沼津駅北口東のキラメッセぬまづ市民ギャラリーで開かれている。
江原素六先生顕彰会(土屋新一会長)設立60周年、沼津市制100周年を記念したもので、江原翁の遺墨展は翁が逝去した1922年(大正11)以来101年ぶりだといい、座右の銘であった「先憂後楽」など、24点を展示。
昨年は、翁の生誕150周年・没後80周年を記念して、沼津駅北口に翁の銅像が建立された。その台座に揮毫したのが日本を代表する書家の杭迫柏樹氏。 杭迫氏の作品は昨年、出身地の森町の名誉町民第1号となった際、同町に寄贈され、今回、そのろち21点が出展されでいる。
開催初日の2日には、オープニングヤレモニーが行われ、来賓祝辞で、翁が創立した麻布学園、西高の校長が、現在も翁の遺志が受け継がれていることを話し、県教育長、森町町長らもあいさつした。 続いて、杭迫氏が「書は人なり、と言うが、正しくは『書はその人の如し』。誰が、何という言葉を、どう表現したか。それが書を鑑賞する上での三本柱」だとした。その上で、「江原先生の御遺墨は、謙虚な、ありのままの普段の姿の書であり、これこそが本当の書。お人柄、人生観、処世観、そして日本の将来のあり方が、素直に書かれている」と述べた。
この後、来賓によりテープカットが行われた=写真。
また、併せて県書道連盟東部支局選抜役員の作品45点も展示されている。
入場無料。開場時間は午前9時から午後6時(7日は正午まで)。
【沼朝令和5年11月3日(金)号】
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